うらがみらいぶらり

チラシの裏のアーカイブ

ゼロから始めるVive環境構築とVRメイド生活 ~お前は25万円で美少女になれる~

1. 始動

 それはまさに、青天の霹靂だった。

kisskiss.tv

 カスタム系3Dエロゲの雄「カスタムメイド」シリーズ、その最新版に突如として「バーチャルアバター」機能の実装が報告された。世間を席巻するVTuberムーブメントに、地響きとともに乗り込んできた瞬間だった。

 もとよりVTuberにおいて最大の障壁とされてきたのが「アバターの用意」である。強力な資本の後ろ盾か、ある程度のCGモデリング技術(ないし、FaceRigで動かすLive2Dパーツの作成技術と絵心)がなければ、そもそも乗り込むことすらままならない。

 その問題をエロゲ一つでハイレベルに解決できてしまう……全人類バーチャル化の戦端が開かれたような心地をおぼえたものである。

 しかしながら、上記の感動以上に、僕の中ではピュアな欲望が春の芽吹きのように顔を覗かせていた。

 

「美少女に、なりたい」

 

 それは、この腐敗した世界にオスとして堕とされて以来、心の奥底に存在し続けていた渇望である。

 なにも僕だけではない。世の男子の多くが『おかあさんといっしょ』を見て心に刻み込んでいるはずだ。「女の子になりたい男の子」と――

 そして、「思った」瞬間に、僕は「行動」を終えていた。バーチャルアバター機能実装の報を聞いた、およそ5時間後のことである。

 4月19日。僕はこのようにしてVRの門戸を叩いたのである。

 奇しくもこの時、Vive通常版は価格改訂が行われ、出費は税込69,390円であった。まさに「買い時」だったと言えよう。

 

2. 障壁

 さて、まぎれもなく「行動力の化身」とも言える出だしを切ったが、ここで重大な事実に気づく。「スペック大丈夫か?」という話である。

 不安要素はあった。この時まで使用していたデスクトップマシンは、今からおよそ4年前、初任給をはたいて買ったiiyama製の約8万円のお買い得BTOだったのである。CM3D2やSkyrimは動いていたものの、CPUはCore i5-4460、グラフィックに至ってはオンボードのようわからんシロモノだった*1。もちろん、パーツの交換などまるで行っていなかった。

 それでも「いやいけるやろ」という謎めいた自信があった。いける。お前ならいける。社会の荒波に放り出されてから、あらゆる苦楽と射精を共にしたお前ならいける――

 そう意気込んでセットアップをしてみたが、まるでダメだった。

 そもそも、Viveの片方のレンズしか映像が出力されない。

 というか本体にHDMI端子がない!

 外付けのアレな機械でごまかしてもダメ!!

 無情に出力される「ヘッドセットだめポです」的なエラー!!!!!

 勢いで突き進んできた僕はここでようやく冷静になる。「これマシンどうにかせんとダメだわ」と。

 かくして、Vive購入週には仮想世界に飛び込むことができなかったのである。眼前にとてつもない壁が立ちはだかったように見えた。

 

3. 構築

 さて、ここでViveの必要動作環境を確認してみよう。

  • GPU: NVIDIA® GeForce® GTX 970、AMD Radeon™ R9 290 の同等品またはそれ以上
  • CPU: Intel® Core™ i5-4590/AMD FX™ 8350 の同等品以上
  • Memory: 4 GB 以上
  • ビデオ出力: HDMI 1.4、DisplayPort 1.2 以降
  • USB ポート: 1x USB 2.0 以上
  • オペレーティングシステム: Windows® 7 SP1、Windows® 8.1 以降、Windows® 10

 

(左記より抜粋 VIVE™ 日本 | VIVE ハードウェアの購入

 この時点でまぁそこそこのものを要求されているが、結論から言うとこれらは最低ライン。「カクつかず、VR酔いも発生させないレベル」を求めるとなると要求スペックはさらに跳ね上がる。

 事実、巷で「VR Ready」に指定されたBTOマシンを見てみると、CPUはCore i7-7700以上、GPUはGTX 1070以上が当たり前。「快適に動かす」ともなれば、GTX 1080は最低ライン……そんな世界であった。

 ではグラボだけ差し替えればよいかというわけでもなく、そのスペックだと給電もおっつかないからマザボと電源も取っ替えないとダメ説が浮上。「Viveのためにハイスペックゲーミングマシンを1から用意すべし」という状況になってしまった。

 

 しかし怯んでもいられない。俺はなんとしても美少女にならねばならない。

 そこで、VR ReadyなBTOの値段も探りつつ、予算20万円でいい感じのマシンを組めねえものか!?と思い立った次第である。

 無論、自作経験は皆無であり、自作に強い高校時代の友人に土下座してパーツ選定に協力してもらった。時は4月30日、GW真っ只中。蒸し暑さすら感じる陽気の中、我々は秋葉原の雑踏へ繰り出した。

 休日商戦のオトク価格が跋扈する中、僕の雑多な要望を噛み砕きながら、作成するPCの方向性は以下のように決まっていった。

 

  • グラボは1080。これ以下はない。ただTi以上は予算的に勘弁*2
  • CPUもいっそ8700にして性能確保に務める
  • マザボはCPUと抱合せセットが確実なのでそれに従おう*3
  • メモリは8GB × 2枚で足りるやろヘーキヘーキ
  • 以上を考慮すると電源はそこそこパワーあるやつにしないとね
  • せっかくならSSD積んじゃおうぜ*4
  • 外付けドライブもあるからディスクドライブはパスしよう
  • 「クーラーは?」「まぁ虎徹でいいでしょ」
  • 「OSはWin10でいいよね」「CentOSとかにする手も」「やめようか」
  • 「ケースってどうすればいいの?」「見た目で選んどけ」

 

 そうしてワイワイとパーツを集めた結果が以下になる。  

パーツ 商品名 税抜価格
GPU ZOTAC Geforce GTX 1080 Mini 8GB ¥59,980
CPU Intel CPU Core i7-8700 3.2GHz 12MB Cache LGA1151 ¥31,500
マザボ ASRock Z370 Pro4 ¥11,980
メモリ Crucial PC4-19200(DDR4-2400) 8GBx2枚 ¥17,591
SSD Crucial CT250MX500SSD1 ¥8,280
電源 Antec NeoECO Gold NE750G ¥10,980
クーラー 虎徹 Mark II ¥3,582
ケース Antec P100 ¥8,980
OS Windows10 Home Edition 64bit ¥13,800

 これにパーツ交換保証1,000円を加算した、税抜167,673円、税込181,086円が総計となった。見事予算クリアである。

 一応、狙い所だったBTOマシンも税込で同じくらいの価格ではあったので、これからVRが十全に動くマシンを用意したい場合は今のところ20万出せばお釣りが来るくらいにはなる、ということだろう。今のところは*5

 これらのパーツを自宅へ持ち帰り、友人同伴のもと組み立て、さらに「先代マシンからDVDドライバ移植しようぜ」「なんならその外付けも取り込んじゃお」という提案を受け、上記に加えてDVDドライバと1TBHDDを追加した、なんとも欲張りセットなマシンが誕生した。

 本体のあまりのデカさに僕も家族も面食らう一品。しかしSSDにOSをインスコしたおかげで起動がマッハ号かってぐらい早い。グラボとケースの組み合わせのおかげか割と静音。

 

 では、肝心のスペックは? VR起動前に、手近なベンチマークテストとして、店頭でよく見かけるFF14のベンチマークツールを実行してみたところ、以下のようなスコア。

 

 カクつくことなくグリグリと動いていた。まぁ比較的易しめな設定で動かしたというのもあるだろう。

 そこで今度はさらにエグいスペックを求めているFF15のベンチマークツールを実行してみた。今度はフルスクリーンで。

f:id:wasasula:20180506114345p:plain

 ハイエンドというほどではないが申し分なさげ。高画質設定でも1ランク下のスコアで収まるし、次世代機相当のタイトルでもわりかし問題なく遊べそうだ。

 

 そして、最も肝心なVRの起動スペックを満たしているかどうか。Steam謹製のVRベンチマークツールを実行した結果が以下。

f:id:wasasula:20180506114634p:plain

 燦然と輝く「VRレディ」。オアシスへの扉が開け放たれた瞬間だった。

 

4. 没入

 満を持してViveをレディさせる準備が整ったので、PC構築の翌日に作業に着手した。とはいえやることはセットアップツールに従って各機器をぶっ刺すだけである。

 

f:id:wasasula:20180506115724j:plain

 悩みどころだったベースステーション設置*6は、「突っ張り棒+雲台プランク」案を採用した。場所はそこそこ取るががっちり安定するし、なにより部屋に穴を開けたくない。三脚はさらにスペースを取る上に、遊んでる最中に蹴飛ばす恐れもあったので断念した。

平安伸銅 突ぱりスーパー極太ポール 大

平安伸銅 突ぱりスーパー極太ポール 大

 

 そうして、全てのセットアップを終え、プレイエリアを立位に設定し(ルームスケールを遊べるほど部屋が広くない)、いざHMDを装着。

 

 気がつくと見知らぬ部屋にいた。

 

 没入感がすさまじい。VRそのものはPSVRで体験済みだったはずだが、「そこにいる」感覚は遥かに勝っていた。上下左右、天井から足下まで、見渡す限り「俺の知らない部屋だ…」と思える、圧倒的没入感がそこにあった。

 これは、StemaVRのデフォルト起動ソフト「SteamVR Home」が功を奏していること、そして「プレイエリア外という概念がない」ことが作用していると個人的には考えているが、そんなことはお構いなしにはしゃぎすぎてしまい、「SteamVR Home」だけで一日が潰れた。

 

 最終的に、火星にリビングルームを作って遊んでいた。こういうのよ。こういうのを求めていたのよ。

 

5.転生

 このまま火星で余生を送るのもアリな気もした。だが、本分を忘れてはいけない。思い出せ。俺は、美少女にならねばならない。

 運命の儀式は5月3日に着手した。実のところ、COM3D2は買ってインスコまでしていたが、単に営むだけならCM3D2が「完成」されていたので、完全に積んでいた。まさかの積みゲー消化である。

 単にバーチャルアバター機能を使うならすぐにでもできたが、どうしてもCM3D2の嫁イドになりたかった。よって新たなエンパイアクラブへ移籍させるために、多少ゲームを進めた。前作よりもさらに盛られたシナリオと、完全に経営シミュレーションへパラメータを割り振った新たなカスメに「こいつこんなゲームだったか?」と首をかしげつつも、無垢ちゃんはかわいかった。

 そうして金を貯めて移籍を終える。いつもの娘がやってきた。即座にスタジオモードを起動し、VAモードを開始。キャリブレーションのために両腕を前へ突き出ししばらく待つと。

 

 僕は、美少女になっていた。

 

 

f:id:wasasula:20180506132134j:plain  

 これ以上語ることはない。夢が叶った。ただ、それだけである。

 強いて言えば、あまりに楽しすぎて2日くらいは現世に戻ってこれなかったぐらいである。

 

総括

 以上が、全くのゼロベースからVive動作環境を立ち上げ、美少女へと転生するまでの過程である。

 Vive本体と、それが動くマシン構築費用で、総計250,476円。これにCOM3D2のお値段が加わるが、それでも25万円台であろう。

 裏を返せば、我々は25万円で美少女になれる、ということである。安いか高いかでいえば、夢が叶うのだから差し引きノーコストと言ってよい。

 

 真面目な話をするならば、Proの登場によって通常版が値下がりし、グラボも価格が落ち着き始めている今は、Viveスタートアップにはかなりうってつけのタイミングではないかと思う。初任給からはちょっと足が出るかもしれないが、給料の3ヶ月分ならある程度公算がつくだろう。

 また、「Viveが問題なく動く」ほどのマシンであれば、現行のPCゲームはおおよそ問題なく動くはずである。「買ったのにスペック足りない!」などという心配をする必要はない。普段遣いのスペックとしても圧倒的であることを踏まえれば、ハイスペックなゲーミングマシンを用意するというのは長期的に見てもメリットがある。なによりSteamの様々なゲームに好き勝手に手を出せるのはとても嬉しい……出費が加速しそうだが、その分ソシャゲの時間が奪われるので、結果的には経済的だろう。古戦場なんてなかったんだ!

 

 僕もかつては、こういったスペック問題や価格でVive参入に手をこまねいていた一人である。今回の一連のアクションは、まさに清水の舞台から飛び降りる覚悟であった。しかし、飛び降りた先は紛れもないパラダイスだった。価格以上の体験は間違いなく降ってくる。それを、拙いながら本稿で伝えられれば幸いである。

 だから、お前もメイドになれ。清く、美しく、可愛らしく、あらよくばえっちなメイドに!!!!!

 

 なお……COM3D2では、がんばれば美少年っぽいアバターも作成できる。これとバーチャルアバター機能を併用すれば、美少年エンパイアクラブオーナーとなることもできる――つまり、こんなこともできる。

 

 

 オトコノコの夢を、Viveは全て叶えてくれる。

 さぁ、Let's VR!!!!!!!!!!!!!

*1:それでもゲーム以外の普段使いには十分すぎるスペックではあった。

*2:この采配は結果的に正しかった。というのも店頭の詳しい兄ちゃんに「Viveは推奨はあぁだけどやはり1080ないとキツイっす。Proは1080Tiか、Titan必須です」などとレクチャーいただいたため。ちなみにこの人いわく「Viveは公道を走る前提の車。Vive Proはサーキットしか眼中にないフェラーリみたいなもん」とのこと。

*3:実際お値段的にもオトクになった。店舗によってはメモリも付随して全部で68,000円ちょいだったことも。

*4:どうせ外付け1TBはあるし的なニュアンスだと思ってたが、実際は下記の通り「中からぶっこ抜いてブチ込めるな」という意味。

*5:グラボはマイニング需要が急落して値下がりが始まっているらしいが、メモリがお値段高めのままなのでどうなることやら。

*6:部屋の隅に対角線上に2機設置、床からできれば2m以上、角度は30~40度、なおかつ電源プラグぶっ刺す必要あり、というかなーりめんどい設置条件がある。