うらがみらいぶらり

チラシの裏のアーカイブ

2018年冬アニメ感想(1〜2話時点)

 一切アニメに触れなかった秋の反動なのか、冬はちょくちょくとアニメ視聴がはかどいっている。

 思い出すのは昨年の冬。『けものフレンズ』という特異点的ユートピアと、『ハンドシェイカー』という常軌を逸した映像事故の全面衝突。拡散するサンドスター。反響する「すごーい!」の斉唱。近年まれに見る大スペクタクルだったと記憶している。

 それを踏まえると、今年の冬は平和ーーだと思っていたのも先日までの話。縦横無尽に暴れ回る『ポプテピピック』の存在がすでに波乱めいている。なにかにつけて冬は大嵐が吹き荒れている気がするのは気のせいだろうか。きっと僕の観測地点が極北にあるのだろうと信じたい。

 というわけで、ひとまず第1週〜第2週まで見たアニメの感想のうち、「個別記事まではいいか」という判断に至った作品について、以下に書き残しておく。

 

■個別に記事をきったもの

ゆるキャン△

wasasula.hatenablog.com

 

からかい上手の高木さん

wasasula.hatenablog.com

 

ポプテピピック

wasasula.hatenablog.com

 

 

ダーリン・イン・ザ・フランキス

 TRIGGER案件。ただしA-1との共作。「A-1の請負でTRIGGERが噛む」というのは過去にもあったらしいが、「共同制作」というのはもしかすると初めてかもしれない。分担は不明だが、画面的には人やエフェクトにTRIGGER、背景やメカにA-1が絡んでいそうな印象を受けた。TRIGGERが好き勝手作った時の背景美術ってそこまで好きではないので(キルラキルもそこが合わなかった)ダリフラはその点で個人的にちょうどいい。

 人類行き詰まり気味な未来系SFに、「男女セットで動かすロボット」という設定含めてエロティシズムただよう空気が乗せられた、「悩める男主人公とイケイケ人外少女」という王道構造のロボットもの。ただしロボは銀河美少年。時折ポエム画面。

 視聴後の感想はいろいろ見かけたが、個人的には「ギルクラを見た後の気持ちとキャプテン・アースを見た後の気持ちとブブキブランキを見た後の気持ちが混ざり合ってスムージーになってる」という感じ。ぶっちゃけまだよくわからない。ただ全体的にエフェクトに勢いと重力が感じられて気持ちよかった。

 そんなわけでアニメ本編はまだなにも言えない感じだが、注目すべきはコミカライズ。なんとまぁ矢吹健太朗御大が公式コミカライズを手がけている。

shonenjumpplus.com

 「そういやこの人エロ漫画家じゃなくてジャンプ連載漫画家だった…」と今さらな感心を抱くくらいにクオリティが高い(なにもかも失礼)が、ToLoveる仕込みのドスケベは顕在。ほんとこの方の裸体はきれいでエロい。ちなみに乳首OKな無修正版は「公開日朝8時まで」という謎の期限が設定されていて、いま見てみたら見事に修正済みだった。いったいどこを攻めたいんだよ!

 ドスケベ具合もさることながら、アニメの方ではまるで解説のなかった設定説明もシレッと仕込まれているので、アニメが意味不明だった人にはちょうどいい補完になる。というか作品コンセプトがかなりセクシャルなんだから、矢吹健太朗デザインでアニメ作った方がよかったんじゃないのかな。

 

スロウスタート

 今季きらら枠の片割れ。栄誉あるきらら本誌のタイトルである。

 前クールの『ブレンド・S』に続くA-1担当のきらら枠で、作画のリッチ具合はすさまじいものがある。なんでもないシーンなのにグリグリと動く。ワチャワチャと動く。美少女が動きまくれば脳に刺激が届き、健康に良い。ただ、個人的にはちょっとオイリーで苦手に感じてしまう。これは『ブレンド・S』でも感じていたので、傾向として諦めるほかないだろう。

 無難な学園キャッキャウフフ枠と見せかけて、主人公には中学浪人*1 というなかなかに危険な設定が与えられている。無論、主人公の対人関係まわりでヒヤッとする要素が散りばめられていて、薄氷を踏むような思いでユートピアを歩むという一種異様な体験ができる。比較的生々しい方面の毒気も会話の中に見えてる気がする。

 こう書くと「きらら枠に見せかけた地獄か?」と思うかもしれないが、基本的に優しい世界だし、レズのフレーバーも漂っているので安心してよいだろう。初期の掛け合いからどう変化するかという変化の動態を観察すると味わい深いかもしれない。

 基本的にはスローテンポで、「原作は連載4年目で1年生2学期に入った」という耳を疑うウワサも耳にした。果たして1クールでどれだけ進めるのだろうか。連載が進むごとに作風が化けていくなんて話もあるし、すごいレジギガス感がある。

 余談だが、カニファンとポプテピに枠が挟まれている。実に不憫。

 

ラーメン大好き小泉さん

 おもしろ食いしんぼ竹達彩奈枠。なぜ『だがしかし』と同期なのか。そしておもしろ要素は薄く、飯ポルノ要素の方が強い。

 金髪ロングヘアの美少女が本気な顔でラーメンを平らげる。それが全てである。ラーメンを食べるだけなので「おもしろいかどうか」は評価軸として機能し得ない。「翌日ラーメンを食べたいか」が正しい評価軸である。実際僕は影響されて翌日の昼食はラーメンになった。

 とはいえ1話の食べる順番は個人的に上手だと感じた。最初に二郎を平らげて大食漢要素を提示(=食べ物を残さないことを示す)、次に学食の馬油とんこつで広範な知識を有することを提示、その上で天下一品を実名で登場させる、というタイアップする上で失礼のないような流れが組まれていた。さらにその上で、2話では蒙古タンメンとパイナップルラーメンの実店舗を紹介している。実際に取材した上に、モノホンの店員さんが出演するということもやってるあたり、(原作時点からかもしれないが)気の回る作品なのかもしれない。

 ちなみに、竹達彩奈しか登場しないと見せかけて、ボーイッシュクソレズストーカー佐倉綾音とかいう生物兵器も登場していたりする。なるほどスキがない。あとひさびさにCMで資本主義の狗しばいぬ子さんが出てきて、思わずもだえてしまったのはヒミツ。

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

 京アニのドル箱(リソースが注がれている意で)。原作(KAエスマ文庫)のCMの気合の入り方からしてフラグシップにしたい感が透け出ている。

 それはもうとにかく描き込みが異常。ここ最近の京アニは常にそのあたりが狂ってる印象があるけど、今作はさらに狂っている。いったいどこを目指すのかわからないけどそれだけでリッチ感を担保できているし、間違いなく強みである。

 画面のリッチ具合は随一だけど、お話の方は刺激が少なめで、おハイソにまとまろうとしている雰囲気を感じる。「4K画質の朝ドラ」ってこんな感じかもしれない。1話ごとにインパクトを与えるよりかは、12話分積み重ねて1つのドラマを作ろうっていうカラーだろうし、まれに見る豪勢な描き込みを味わう30分として、水曜の夜にはちょうどいいかもしれない。

 余談だが、このアニメの子安は近年まれに見る純粋な善人役で、個人的にはそちらの方が希少価値を感じる。

 

りゅうおうのおしごと

 すさまじく高評価をはじき出しているラノベ原作アニメ。今話題の将棋がテーマだが、「高校生にして竜王就任」「天才の片鱗が伺える幼女」「女流二段の美少女JK」といったフィクション要素が「ハハッ、藤井四段だな」って一笑できてしまえそうなところがリアル将棋界の末恐ろしいところである。

 原作未読なので再現率についてはなにも言うことができないが、1話時点で「致命的なカット」が存在するといったまちのこえも耳にするので、もしかすると恵まれない落とし子の可能性がある。CV日高里菜の幼女の裸体と、アニメ本編後のリアル日高里菜が拝めるアニメとして観ればまぁ良いのかもしれない。

 個人的にはアニメはあまり刺さってないので、触れるにしても原作の方だろうか。

 

メルヘン・メドヘン

 いまは亡き松智洋の遺児。これラノベとして発表されてからさほど時間経ってない気がするし、見切り発車じゃねーの? みたいな心配をしていたら、のっけから未完成OPで不安が的中しているタイプのカントク作画。

 モチーフがおとぎ話の変身ヒロインモノ。キャラクターはかわいいのだが、「長いモノローグを展開するラノベ主人公のアク」を、「主人公を美少女にすれば低減できるんじゃね?」と思って映像化してみたが、アクはまるで減ってなかったという、ある意味おとぎ話みたいなオチが愛らしい。映像もインパクトは少なく、かといってマイナスへ突き抜けてもいないので、強豪ひしめく今季ではかなり分が悪い。

 「美少女が異世界に転移して素っ裸になって魔法少女になる」という要素のうち50%でも的中するなら視聴してもいいかもしれない。それはもうわんさか美少女を積みまくっていて安直に風呂だの裸だのを放り込んでいるし、オタク向けの慈善事業なのは確実である。とはいえ、こういう枠は後半に思わぬ化け方をする場合もあるので、油断できない。

 

デスマーチからはじまる異世界狂想曲

 なろうより新たな刺客。正統派異世界チート転生の血脈として、2017年夏の雄・異世界スマホに続く、新たな英雄の登場である。

 いきなり高校生を殺した異世界スマホとは違い、主人公は三十路間近のIT土方。毎晩のように会社に泊まり徹夜を続けた末に、24時間超ぶりの睡眠中に突然死したと思われるような転生フローを経ている*2。Aパートの大半を前世の描写に費やしていると言えば、イセスマ体験に慣れ親しんだ人々には脅威に映るだろう。

 もっとも、休日出勤を始める際に「デスマーチを始めますか!」と明るい声で意気込むのはありえないし、その意味で主人公(すでに「デスマ太郎」という名を頂戴しているようだ)にはすでに英雄の片鱗があるということは、現役IT土方として付言しておきたい。

 チートな能力は自分がM担当した初心者救済サービス、異常に高いレベルはその能力で強敵を一掃することで得た経験値によるもの、とロジカルにチートスペックを確保する流れは、「書き手もIT土方か?」みたいな憶測ができて楽しい。散々にレベルアップした後に旅へ出るくだりは、SkyrimにMODを大量にぶち込んで遊ぶ人を想像させて微笑みが漏れる。現地人の魔法詠唱は禁呪詠唱を感じさせて暖かな気持ちになる。

 このように、「凡庸な異世界転生」であり続けようとした異世界スマホとは違って、ところどころに光るポイントが見られるのが特徴的である。(わざとかは不明だが)輪郭線がすごく怪しいなどの不安要素もあるものの、異世界スマホがダメでもデスマはいける、という人が案外多そうな気がしている。良くも悪くも、今季で一番その一生を観測したいタイトルである。

 余談だが、主人公は堀江瞬、ヒロインの一人に高橋李依という布陣が敷かれており、奇しくもFGOにおけるギャラハッド*3とマシュ・キリエライトの組み合わせとは、これいかに。

*1:中学卒業後に浪人なんて可能なのか?と思っていたが、どうもありうるケースらしい。ただこの場合を「高校浪人」と称する場合もあるらしく、そのあたりは曖昧っぽい。 過年度生 - Wikipedia

*2:このAパートの流れを「リアルイーグルジャンプ」と呼ぶ者もいた。

*3:2017年の年末アニメにて担当。