うらがみらいぶらり

チラシの裏のアーカイブ

「小説家になろう」ハイファンランキング観察日記(4/24~4/30)

 更新を忘れていたが、なろうの観察は意外なことに続いている。

 始める前は交通量調査のバイトのようなものだろうと思っていたが、ランキングはやはり生き物で、人の往来よりもよっぽど観察に値する動きを拝める。各作品も味付けが微妙に異なり、やはりここは生存競争の戦場である。

 というわけで、4/24~4/30までのランキング観察日記を以下に記す。

 

【4/17~4/23のランキング観察日記】

wasasula.hatenablog.com

 

ランキング概観

 この週は一度だけ週間ランキングを記録しそこねた。やはり自動スクレイピングする装置を作らないとダメかもしれない。

 

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表1. 日間ランキング(4/24~4/30)

 

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表2. 週間ランキング(4/24~4/30)

 

作品の循環

 先週颯爽と現れた「万年Dランク~」を始めとした、先週の上位作品が引き続き上位に居座る……というのが当初の見込みだった。

 「ランキングなんてそんな変わらんやろw」という無根拠の予測。それは全くの誤謬で、生き物たるランキングはしっかりと循環サイクルが備わっていた。

 4/24(月)の7位と16位に現れた新顔は、その後さらに勢いを強め、4/27(木)には2位3位にまで上り詰めた。さらに、4/28(金)には全くの新タイトルが日間1位に突如として君臨、以後この週の頂点から動かないという事態となっていた。

 まったくのニューカマーがやるじゃあねえか!と一瞬驚いたが、実は前者2作品は「過去投稿作品のリメイク」、後者の1位君臨作品は「既存人気タイトルのスピンオフ」というもの。転生・転移で名を馳せた「小説家になろう」というサイトの「名は体を表す」好例であった。

 スピンオフは馴染み深いが、「一度投稿したものを消して書き直す」というのは、個人的には見慣れない文化だったので、この動きは新鮮だった。このやりくちも許される、ということである。

 まぁ実際、削除前の作品をテキストデータで保存して、リメイク後の差分にケチをつける人とかごく少数だろうし、「行き詰まったらリセット」という感覚がちょうどよいのかもしれない。そういった意味でも、なろう小説はゲーム的よなぁ、というのが個人の感想。

 ちなみに、リメイク・スピンオフばかりでなく、週後半ではモノホンの新顔も現れ、上位にやってきている。この影響で、4/30(日)時点のランキングは、前週からはだいぶ様変わりしている。無論、前週の上位陣も多くは順位を落としており、競争社会としてのなろうの一端が垣間見える。

 

タイトルのゆらぎ

 先週から上位にいた「座敷わらし~」もまた、少しずつ順位を落としている。それに関係するかは不明だが、この週だけで3回タイトルが変更されている。まさに出世魚である。

 最終的に、サブタイを廃したシンプルなタイトルへ落ち着いているが、この変化はどのような心境からなされたのだろうか。デイリーで変化するタイトルからは、苦心めいた空気が感じ取れなくもない。

 

ハイファンにおける「よく見る類型」

 観察から2週間目の所感であり、かつ流行はものすごい勢いで変ずるため確実なこととして言えないが、ハイファンカテゴリにおける「類型」はある程度つかめてきた。

 ざっくり、以下の3パターンはよく見かける。

 

  1. 現地人のなりあがり
    女神的なサムシングでファンタジー世界の現地人がチートじみて強くなり、一気にシンデレラストーリーを駆け上っていくもの。クリーチャー化するケースもある。骨子としては異世界転生俺TUEEEに一番近い。
  2. つよくてニューゲーム
    賢者だか剣豪だか魔王だか、実力のある人が理由をつけて遠い未来へ転生する。基本的に能力は持ち越し。自分の生きていた時代とのギャップが話のスパイスになることもある。「転生」というフォーマット的には、異世界転生俺TUEEEに近しい。
  3. スローライフ
    強さとか追い求めず、ゆったり街を作ったり、土地を開拓したり、お店を経営したりする。異世界転生カテゴリでもよく見かける。「平和に暮らしたいです!」っていう宣言が多い。ニューゲーム要素を含むケースもある。たぶん癒やし枠。

 

 この類型にチート能力は必ずしも付随するわけではないようだが、おおむねチート能力や、ユニークスキルは保有している。スローライフ志望でもチート能力は有していたりするが、きっと永世中立国スイスみたいなロジックなのだろう。

 この類型に合致しないものも、もちろん見かける。さて、この類型が「旧いもの」になるのはいつごろだろうか。観察前は1年以上かかると見込んでいたが、ランキング変動の速さを見ていると、もっと早いような気がしてならない。

 

 

 4/24~4/30のランキング観察日記は以上である。

 重ねていうが、予想を遥かに上回る環境変動の早さは、ランキング観察を続ける一番の動機になりつつある。

 すでに次の週分の記録もたまりつつあるが、これもかなり変動が起きている。そのうちジャンルそのものをひっくり返す地殻変動も起きるのだろうか。楽しみである。