うらがみらいぶらり

チラシの裏のアーカイブ

Pawoo.net観察日記

 Mastodon(マストドン)とかいうTwitter亜種がにわかに日本で広まり、分散型SNSの物珍しさと、ちょっとガバガバ気味なセキュリティにいろいろと話題が沸騰していた。

 自前で持てるSNSと聞いて、「そんなの法人が独自ドメインで持つのが一番うまみデカいじゃん」とは思っていて、そのうちこのブログでなにか言おうかなーと考えていたら、Pixivが自前インスタンス(サーバ)を立ち上げてしまった。さすがはWebな企業大手、機動力がすごい。そして本家インスタンスから連合をブロックされるなんてオチまでついた。

 そんなわけでPawoo.netにアカウントを作って小一時間観察してみた。ざっくり思ったことを書き残す。

 

①イラスト投函状況

 さすがに母体がPixivである以上、そこにアカウントを置く絵師たちが早速イラスト投函に明け暮れている。本家ブロック原因も、エロ絵師たちがスケベイラストを連打しまくった結果とのことである。

 で、スケベを抜きにしてイラストがどの程度ぶん投げられているかだが、少なくとも4/15の時点では「過去投稿イラストのぶん投げ」がよく見られた。まぁ自己紹介がわりの名刺だろう。

 この比率が比較的多めで、ローカルタイムラインでも体感5割程度の確率で出現している。Pixivをクロールしたり、Twitterをぼんやり眺めたりするよりかは、好みの絵師をランダムに見つけやすい環境かもしれない、とは思った。

 でも23時を過ぎたあたりから、ただの「トゥート」の比率が増えて、結局Twitterと大差ない状況にはなっている。「絵師たちの楽園たるPixiv自治領」というにはちょっと……という感じ。

 

②「ローカル/連合タイムライン」にはしゃぐ人々

 「自動イラスト収集装置」ないし「リアルタイムイラストぶつけ合い宇宙」としては微妙なこのサービスに、じゃあユーザはなにをはしゃいでいるのかといえば、おそらく「流速」だと考えている。

 Mastodonは、自インスタンスの全ユーザの発言が見える「ローカルタイムライン」と、連合*1の発言まで見える「連合タイムライン」の2種類を、デフォルトで、しかもリアルタイムなストリーミングで見ることができる。

 このリアルタイムストリーミングがキモ。無数のユーザの発言が日本三大急流のように流れていく「体験」そのものに価値がある、ということである。

 実際、Pawoo上でよく見かける(4/15時点)発言は「流れ早すぎw」「視力検査かな?」みたいなものだ。内容がどうのこうのよりも、大量の情報がものすごい速度で過ぎ去っていくこと自体が、一種のアトラクションとして楽しまれている、と見ていいと思う。

 Pawoo.netの総ユーザ数はおよそ2万(4/15時点)。それだけのアクティブユーザを、自分でフォローすることなく観覧できるのだから、土日の物見遊山にはうってつけだろう。

 この楽しみ方、なにもMastodon特有ではなく、かつてTwitterも同じ轍を踏んでいる。「Twitter廃人」という、多フォローや、クソみたいな短文ツイートと非公式RTの連打で「タイムラインを加速させる」ことに楽しみを見出す文化があったことは、一部の方はご存知のはずだ。その文化にも多少の手間があったことを思えば、ほぼノーリスクで「加速するタイムライン」を眺められる現状のPawooはとても良質なサービスだ。

 いずれにせよ、膨大な情報量、そしてそれが目の前で流れてくるライブ感は、まぁ見ていても楽しい。長くなったが、要はこれも「祭り」である。

 

③文字数について

 個人的に一番デカいMastodonの特徴は「500文字まで入力できる」ことだと思っている。

 「ブログには短くツイートには長い」とおっしゃる方もいるでしょう。でもツイートを何度も連投するくらいなら、500文字でまとめられる方がスマートじゃないですか。ブログの内容だって要約すれば500文字くらいになるだろうし、「ミニブログサービス」というカテゴリが一番似合うと思いますよ、Mastodon。

 なによりこういう遊びができるんですよ。

pawoo.net

 これを公共のタイムラインにぶん投げる。最高の交通事故でしょ。

 だけど、パッと見では500文字をフル活用しているアカウントは少ない。それどころかだいたい140文字にも満たないものが多い。Twitterの延長線どころか、そのまんまTwitter感覚で使っている人が多そうではある。

 まぁ、372文字入力できる「Croudia」ってサービスがあって(※いまも存在する)、一時期話題にはなったけどそこまで流行らなかったし、そんな多量に文章を入力する人はいないのでしょう。多分。

 

④「誰がこのサーバの面倒を見るんだい?」

 ハチャメチャな勢いで増えるトラフィックに当然ながらサービスは悲鳴を上げる。Pawooも何度か遅延発生したり、そもそも接続ができなかったり、みたいな状況が発生している。

 どんなことが起きたか、それにどう対処したかは、Pawooに設けられた管理用Pixivアカウントがリアルタイムで垂れ流しているので眺めてみるとよい。

pawoo.net

 さらっと「サーバ増やしました!」とか怖いことを言うんじゃあないッ!

 まぁ、下手するとそれだけの金銭的リスクが起きるよー、ということではある。日本鯖最大手の「mstdn.jp」も、管理者が100万円寄付されちゃって「扶養外れちゃった」とおののく場面もあったりしたけど、それだけ金は要りそうではある。あとはまだ海外メインだし、向こうの人とEnglishでCommunicateするスキルも必要そうだ。

 もっともそれ以上に、今日(書いてる時点では土曜日)Pawooの面倒を見ている人々を思うと……うかつに「企業はMastodon導入しましょう!」とか迂闊に言えない。まぁPawooの場合は好きな人がやってる可能性もまだありそうだが……

 

 

 とりあえず書き残しておきたいのはこんな感じ。

 今は物珍しさ半分で使ってる人が多そうだし、月曜の通勤通学のタイミングで熱が冷めた人が出てきてから、どうなるかがある意味では見ものだとは思う。

 インターネッツにおいて、新しいサービスは、最初はおもちゃとして扱われる。それがおもちゃのまま遊び捨てられるか、道具として普及するかどうかは、誰にもわからないわけであって。まぁヘタに「MastodonはSNSに新しい風を起こす!」とかチャントすると火傷しちゃうよね、っていう感想です。

 

■余談1:ぼくのPawooアカウント

pawoo.net

 前述の通り作ってある。基本的に「500文字打てること」をフル活用したいので、そんな感じのトゥートしかしないかも。無限にココアとのヰタ・セクスアリスを綴るぜ。

 

■余談2:自前のMastodonは作っておきたいね的な

jtwp470.hatenablog.jp

 早速立ち上げハウツーが上がってきた。ぎっはぶ読めって話だけど。

 Dockerなんてハイカラなものさわったことないよぉ……その練習のためにもさわってみようかなぁ、とは思ったり。やっぱ自前ドメインで持てるって魅力的だよね。

*1:インスタンス同士のフォロー関係みたいなもん