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うらがみらいぶらり

チラシの裏のアーカイブ

某所開催「第二回 1話が面白いアニメ選手権」の個人的まとめ

 端的に、強いインパクトとともに、アニメを紹介する方法は数多くあれど、やはり「1話目を見せる」という手法はとても有効だ。

 最初の話が引っかかれば、自動的にその後の話も見てしまう。布教はなかなかに容易い。「1話が強いアニメ」とは、初速が強いアニメに他ならないのだ。

 だからこそ、「強い1話」をより多くの人に布教しよう――そんな与太話がきっかけだったかは忘れたが、先日「第二回 1話が面白いアニメ選手権」が開催され、そちらに参加してきた。第一回は2年前の「ビビ泣き会」を指す。たぶん。

 総参加者10名がレンタルスペースに集まり、各々「おすすめの第1話」を持参したのだが、恐ろしいことに誰も作品かぶりを起こさなかった。

 本当に奇跡的としか言いようがない。オタクも10人よればなんとやら、である。

 そんなこんなで、およそ10時間、計17本の「第1話」を見る機会にめぐまれたので、以下にて雑記として感想を書き残す。

ラインナップ

 今回上映された作品と、全て視聴した後の参加者クロスレビュー結果*1でソートしたものが以下。集計してくれた蠅さんありがとうございます!  

順位 タイトル 得票数
1 ビビッドレッド・オペレーション 20
2 コヨーテ ラグタイムショー 19
2 Thunderbolt Fantasy 19
4 Kawaii! JeNny 18
4 四月は君の嘘 18
4 サムライフラメンコ 18
7 きんいろモザイク 17
8 キャプテン・アース 16
9 新妹魔王の契約者 15
10 アイドルマスター XENOGLOSSIA 13
11 キルミーベイベー 12
12 TARI TARI 10
13 あいまいみー 妄想カタストロフ 9
14 未確認で進行形 8
15 ほしのこえ 7
15 ISUCA 7
17 砂沙美☆魔法少女クラブ 1

  

各作品感想

 以下では個人的な感想。順番は「上映順」です。

  

①アイドルマスター XENOGLOSSIA

 実は初見だったが、各所で言われるような「黒歴史」なんて評価が消し飛ぶくらい上出来な1話だった。

 世界観提示がさりげなく上手で、「月がぶっこわれて多数の欠片になっている」「ロボを駆って欠片の破壊をするのがアイドル」というこの作品特有の設定を、「欠片の電波障害が〜」みたいな何気ない描写で見せてくるのがスマート。「説明を入れずに世界観を見せるお手本」として最適じゃないかと。

 とはいえ、やたらと知性を発揮するやよいとか、葛城ミサトさんに見える千早とか、「なんでアイマスなんだ」と思わずツッコみたくなるところもあったし、ゼノグラの立ち位置もなんとなくうかがえる1話だった。

  

②Kawaii! JeNny(かわいい!ジェニー)

 今回最強の飛び道具。着せ替え人形のジェニーを使った特撮人形劇である。

 開幕から「おしゃれとスイーツを奪おうとする秘密結社・エイブラン(女首領とテディベア3体)」で殴りかかり、その後も「すさまじい」の一言に尽きる諸要素の連打。間違いなく脳を破壊されるし、実際に破壊された。

 常軌を逸したパワーを持ちながら、野川さくら、小林ゆう、桑谷夏子、桃井はるこというすさまじいキャストを取り揃えており、挙句モモーイはOPとEDも担当しているというスキのなさを見せる。なにもかもがすさまじかった。そしてこれをオタク10人で集団視聴している光景が限界極まっていた。

  

③ほしのこえ

 ジェニーの直後に切り込んできた新海処女作。ジェニーとの落差と処女作特有の新海ポエムによって、これも別の意味で脳が破壊された。

 今になって見てみると「超高級フラッシュムービー」という感じではあるし、でもこれが世に出た当時の衝撃は想像できるくらい、このころから背景はきれいだった。「これにRADWIMPS付ければバカ売れすんだな……」という誰かのコメントが忘れられない。

 得票数がめちゃめちゃ低いのはなにも宗教的理由だけではあるまい。

  

④コヨーテ ラグタイムショー

 以前の上映会でも流れた逸品。やはり1話はおもしろい。こんなに勢いも情報量も強い1話は本当にレア。

 ここから後が「おもしろくならない」というのがガチで信じられないレベル。でも「最初の脚本担当が1話で降板した」なんて話を聞くと、さもありなんという感じにはなる。

  

⑤Thunderbolt Fantasy

 かわいいジェニー2016。まさかジェニーと戦線を同じくすると誰が予想したか。そして、「かわいいジェニー2016」が割と賞賛の意味合いを持つくらい評価が上々だった。

 とにかく人形劇とは思えないほどに動くわ、エフェクトモリモリだわで、ジェニーの記憶が一斉に上書きされる強烈な映像美。「水が滴る」といった演出も、人形というツールならではの強みと感じた。ひたすらチャンバラをさせているのに、密度が濃すぎないと思えるのも作劇の妙だろうか。

 人形劇アニメの歴史を紐解く上で、ジェニーと並べて見れたことは幸運だし、そう感じさせるぐらい上質な一作だった。

  

⑥未確認で進行形

 ここまでのラインナップからのみでしは本当に癒やし枠だった。それ以上の感想は特にはなかった。

 強いて言えば、登場人物名のテロップを出すのは親切だとは感じた。それにしても小紅の口調の変則っぷりは今でも慣れない。

  

⑦砂沙美☆魔法少女クラブ

 別の意味で脳が破壊されたというか、みんな小川真奈とかにやられてた感がある。別にシナリオはなんの問題もないのだが、とかくメインキャストの声にやられていた。「もっと棒のやつもいるよ」という推薦者のダメ押しも効いた。

 これでもまだ2006年の作品というのもすさまじい。個人的に気にはなっていた作品で、歴史的史料と対面できた感謝として1点与えたけど、他の人はことごとく0点だった。南無。

 

⑧キャプテン・アース

 以前から「1話はやっぱりすごい」という話題は上がっていて、今回はそれを実証してみる形になった。

 実際、それはもう盛大にロケットを飛ばし、舐めるようなアングルで各パーツを映し、どアップにし、キメッキメのエフェクトで合体させるんだから、気持ちいいのである。そこまでの流れとか、意味深ワードの連続発砲も相まって、そのワクワク度は半端ない。

 「ロボットはかくあるべし」という提言そのものな1話だった。ゼノグラシアと同時に見れたというのもいい判断材料になった。ゼノグラシアもかっこいいけど、キャプテン・アースはその正統進化というか。

  

⑨キルミーベイベー

 お約束。「誰が持ってくるんだ」という牽制状態になっていたおかげか持参者が一人だったのはおもしろかった。

 あらためてキルミー1話を総括すると、まだ赤﨑田村ペアが小慣れていないため、探り合う感じの漫才になっている。そのため、ややほのぼのしていて、きらら系列としてのかおりがまだ残っているのが初々しい。ここからどんどんどつき漫才へと昇華していくと考えてみると、やはりキルミー1話は貴重な史料だなと。

 でもやっぱりみんな「あぎりさんがトンでる!」ってセリフで笑っちゃったよ。ちょっとぉ、きもちよくなる薬ですよぉ〜

  

⑩四月は君の嘘

 みんな無言で見ていた。さすがはノイタミナ。クオリティが十全である。

 初見な個人的な感想は「のだめから順当に進化したなぁ!」というところ。あと、意外とコミカルなやりとりが多かったのがおどろきだった。そしてここにも幼なじみ佐倉綾音が出てきて理性が揺らぐ。

  

⑪きんいろモザイク

 僕が持ち込んだ。推薦理由は以下に書いてるのでこっちには書かない。

wasasula.hatenablog.com

 各参加者の感想は「想像していたよりもずっとおもしろかった」というのが多かった。そう、この1話は突き抜けてよくできているんです……

  

⑫サムライフラメンコ

 ノイタミナ枠その2。開幕全裸(男)というのもあるのか!みたいな出だしだったけど、改めて見るとこれも1話の出来が淡々と手堅い。やはりノイタミナは1話ブースト仕掛けるのが強いんじゃないかと思わずにはいられない。

 「で、このあとおもしろくなくなるの?」 鑑賞後の無慈悲な問いかけである。

 どうでもいいけど、無難に上手い演技の時の杉田が出てきて、なぜか安心感があった。

  

⑬TARI TARI

 かつて見たことがあるけど記憶が消し飛んでいて、「あー!あー!そうだこんなんだ!」となりながら見ていた。1話の終わり方が個人的に好かないということも。

 とはいえP.A.はやっぱり絵が綺麗だし、関口可奈味デザインはかわいい。見続けるとじわりじわりくるんだろうなぁ、というのはP.A.ご当地アニメといった感じだ。誰かが「ラブライブ!3話までを1話に詰め込んでやがる」と言ってたのは笑った。

 にしてもこれ、元デザインはtanuというのがやはり信じられない。フリフラもだけど。

  

⑭あいまいみー 妄想カタストロフ

 お前がなぜここに!! と思っていたら1話が終わっていた。ビバ3分アニメ。3期も好評放映中だ!

  

⑮新妹魔王の契約者

 まさかの2015年冬のグランドクロスの一角。もう放送から2年経っている事実が信じられない。

 そして、やっぱり密度が異常すぎる。わかっているはずなのに「まだAパート!?」となった。やっぱり「魔法」なのだ。それを2年越しに再確認できたことは意義深い。

 ちなみにBDなので無修正なのだが、1話ではその効能を感じるシーンが少ない。というか、あの芸術的な修正も見どころなので、人にすすめる場合は地上波版もありかなー、と。

  

⑯ISUCA

 僕が持ってきた。理由? 「原作よりも1話がおもしろい」からだよ。新妹魔王にはISUCAをぶつけんだよ!

wasasula.hatenablog.com

 ちなみにBD版を視聴していて気づいた(実はここで流すまで再生していなかった)のが、1話の雷獣のドスケベ攻撃の正体が「パンツ越しのクリトリス責め」だったという点で、しかもパンツがスジ状に濡れるカットまであった。言い逃れ不能なレベルで完全にエロゲである。この発見が実に意義深い。

 さすがは2015年冬のグランドクロスの中央に立つ魔将である。なお、雷獣のドスケベ攻撃の器用さに爆笑する以外、ほぼほぼみんな死に顔だったことも付記する。

  

⑰ビビッドレッド・オペレーション

 真打。途切れない気持ちが、私の道標。全てのマスターピースたる、至高の1話である。

 今さら語るのもおこがましいが、ビビオペの1話は、本当に素晴らしい。とにかく盛り上がりが巧みで、初変身まで一直線に突き進む勢いは最高なのである。また、1話以降消滅する「あかねは高所恐怖症」という設定だが、その克服までのあざやかさは実はよくできている。友だちを助けるためにタワーから飛び降り変身。この力強い流れは感動して然り、である。

 鑑賞後は拍手喝采。評価も満場一致の20点満点。王者としての貫禄を示したのであった。

     

総括

 やはりビビオペは強かった。それは当然で、ビビオペは至高の傑作ゆえに仕方のないことである。

 全17作品、それもカラーの異なる作品をいろいろ見てみると、やはり発見も多かった。ジェニーからのサンダーボルトファンタジーは素晴らしい流れだったし、ノイタミナはやはり1話の引き込みが強い。ロボアニメの1話はやはりロボがドーンッと動くべきだし、場合によってはAパート終わりにOPを仕込む特殊戦術も推奨されるのだ。

 1話目とは、その作品の入口であり、看板でもある。総じて、どの1話も「このアニメはこれからこういうことをするよ」というプレゼンテーションとして機能させようと、あの手この手の工夫を凝らしているのだと実感した。その最初の宣伝と、以降の話の進め方に落差があれば、手ひどくフラれるということも。

 いずれまたやろうという話にはなっていて、次はどんなものがそろうのか、あるいはそろってしまうのか、楽しみである。ちなみに、個人的には「石鹸枠1話会」をやってみたい。並べてみれば、石鹸も色とりどりのはずだ。

*1:◯(2点)、△(1点)、×(0点)で評価。