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うらがみらいぶらり

チラシの裏のアーカイブ

実写版『テラフォーマーズ』で、はじめてのテラフォーマーズ。

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 実写版『テラフォーマーズ』を観に行った。

 あまりにもヤバいウワサしか聞かないので絶対にGW中に観に行こうと思っていたが、貴重な連休を潰すのはもったいなかったので、仕事帰りに火星へ突撃した。

 テラフォーマーズは漫画もアニメも一切履修したことがない。「原作とちがう!」と怒ることがない好条件だった。しかし、親の敵を見たような酷評、シンナーで脳髄が溶けたような絶賛などは目にしていたので、あらかじめ期待値を-5000%くらいに設定し、キャラメルポップコーンも買って、完全なリラックス状態で鑑賞した。

 結論から言えば、ポップコーンを貪りつつゲラゲラ笑いながら鑑賞するには最適の映画だった。いたるところに、どうしようもない「ダメ」が積み上げられ、それがかえって愛着を湧かせた。そのダメ加減が、原作をミリでも摂取していると発狂しそうな仕上がりになっているのだと、自ずと察せられた。

 以下、考察の余地もない「バカの学芸会」としての実写テラフォーマーズについて、おぼえている範囲の思い出を書き残していく。一応ネタバレあり。ネタバレしたところで影響はなさそうだけど。

 

  まず、物語はネオサイタマからスタートする。

 この映画はニンジャスレイヤーの実写版ではないのだが、なぜか舞台はネオサイタマだった。たぶん「虫を食料しないとやってられない貧しい未来」という演出をしたかったのだろうけど、その条件でネオサイタマを生み出せる才能が日本にいたと思うと感慨深い。

 「逃走中」のクッソつまらねえ寸劇レベルのCGがモリモリと広がり、そこにV系ボーカルみたいな小栗旬が降り立つ。すさまじい「逃走中」感。そして脈絡なくバグズ2号とかいうロケットの中へ場面が切り替わり、山Pが異国語で難癖をつけてくる。たぶん英語だとは思うんだけど、無意味に異国語を話す山Pがあまりもおもしろいのでどうでもいい。日本人っていう設定なのに。ちなみに元設定はタイ人なんだってね。

 その後も、妙に仲の悪い集団が映され続け、気が付くと火星に降り立つ。そこからじょうじさん1号と出会うまでは特に面白いところはなし。ただ、ゴキブリ駆除スプレーミサイルにアース製薬のロゴがあったのは面白かったし、どこか教育テレビ的な雰囲気ただよう火星のCGは牧歌的だった。

 

 そしてヒロインの首が折られたところで、スーパー昆虫ファイトスタート。まずはケイン・コスギくんから。ケイン・コスギー! ワレ生きとったんかー!

 「中東で戦ってきた日本育ちのリーさん」というハチャメチャ設定のケイン・コスギが変身し、終始異国語をしゃべりながらじょうじさんとレッツファイト。雑に手のひらからベギラマを放つも、じょうじさんが耐えて反撃。ケイン・コスギ死亡。「リーさんでもダメなのか…」っていうセリフが哀愁を誘う。

 その後、じょうじさんが窓ガラスを割って侵入。すれ違いざまのチョップで二人死ぬ。なんだったんだお前ら。そして艦長が変身してようやく白星。変身シーンが戦隊シリーズの怪獣巨大化シーンっぽいなと思ったのは内緒。差し込まれる池田秀一の昆虫解説コーナーで知識面もバッチリだ。

 

 で、ロケットがなぜか動かないので、別のロケットから動くパーツを持ち帰ってこようという作戦が立つ。すると、伊藤英明と山Pがなぜか意気投合したような雰囲気を見せる。いつ仲良くなったんだ。

 けれども艦長とハッカーだけが残り、他のメンツは小池栄子が運転するあいのりバスで旅立つ。ここで滝藤賢一演じるゲキヤバおじさんが変身するんだけど、その活躍を見て唐突に篠田麻里子がデレる。そこまであいのりにしなくてもいいじゃないか。

 そんなこんなであいのりバス(ジェット噴射付)で火星を走っていると、唐突にじょうじさんウェーブがやってくる。いやホント、「ウェーブ」としかいいようがない。なんでウェーブなんだ。マジで。それを突破するために女二人が変身する。「守るのは私たちにまかせて」と唐突に名乗り出る。そんな連帯感どこにあったんだ。あいのりか。

 で、それぞれ「昆虫では一番硬い」と「光学迷彩が使える」という特性持ちなんだけど、ごく普通にブースターおじさんをガードするだけ。力技か。さっきの池田秀一コーナーはなんだったんだ。そして雑に三人とも首が吹き飛んで死ぬ。

 そして、別のロケットことバグズ1号に到着する。バスから降りた伊藤英明がいなくなった三人の名前を呼ぶ。どこでそんな絆が養われたのか。やっぱりあいのり効果だったのだろうか。

 

 バグズ1号の謎がサラッと提示された直後、ヤクザ二人がスナック感覚でじょうじに射殺される。無駄に宇宙服脱いで刺青を見せて死ぬ。活躍は一切ない。お前らいったいなんだったんだ。

 追い打ちのように池田秀一が「ゲンゴロウとオケラの遺伝子が組み込まれた理由はよくわかんない」とナレーション。本当にいったいなんだったんだ。

 そして伊藤英明と山Pと小池栄子が満を持して変身。伊藤英明は主人公、山Pもライバル格だからか、虫人間化後もイケメンになる。そして無駄に強い。哀れケイン・コスギ。

 小池栄子も無駄に強い。カマキリ人間の絵面は純粋におもしろいが、なぜかツインテールになる。俺ツイじゃねーんだぞ。だけど「ツインテールの小池栄子」は、おそらく今世紀では二度と見られない気がするので、これだけで鑑賞の価値があるかもしれない。

 で、2号の方では開幕で死んだはずの菊地凛子が現れ、「エメラルドゴキブリバチやべー!」みたいな衝撃を雑に与えてくる。が、あっさり強化じょうじが現れ、船が落下する。そして、残った伊藤英明、山P、ツインテール小池栄子で決戦に臨む。緊張感はまるでない。そして小池栄子が首チョンパされるサービスシーンつき。

 ちなみに、このあたりからポコポコと回想シーンがはさまれる。なけなしのアッパーテンションも即座にリセットされるため、心臓に持病がある人でも安心して見られること請け合いだ。

 

 グリーンスクリーンを幻視するバトルシーンの末、随分とバッタになった山Pがひんし状態になる。負けじと伊藤英明も応戦するが、ダブルニードルをへし折られてしまい、ひんし状態になる。万事休す。もちろん緊張感はない。

 そこに開幕で死んだはずの武井咲が、ハデハデエフェクトを引っさげて飛来する。超映画批評でも言われていたが、登場の仕方はたしかにハッピー・サイエンスムービーの雑CG天使っぽい。でも出てくるのは戦隊シリーズの悪の女幹部の真っ白版みたいなもの。「あっこれカイコガなの~!?」と気づくのは後になってだ。

 どうやら武井咲は鱗粉で粉じん爆発を起こすようだ、と山Pが気づく、察しいいなオイ。そして伊藤英明に突然翅が生える。決死のウルトラマン式飛翔。このシーンはCMでもおなじみのはず。「うっわダッセェェェェェ」とゲラゲラ笑える。そして雑にイオナズンが起き、じょうじさんが死んでしまう。

 イオナズン後、昆虫ドーピングしすぎた山Pは仮面ライダーになってしまう。泣いている仮面ライダー山Pに対し、「お前は俺の友だちだ!」と伊藤英明が叫ぶ。いい大人がここで「友だちだ!」と叫ぶのが妙にシュール。とはいえ学芸会なので、このセリフが妥当でしょう。

 そして思いっきり続編を予感させる引きっぷりでエンドロール。高らかに鳴り響く三代目 J Soul Brothersがいい具合に「ダメだったかー」と感じさせてくれる。そんな幕引きだった。

 

 個人的な見どころをまとめると、

  • ネオサイタマ
  • 無駄に異国語をしゃべる山P
  • 明らかにヤバそうな滝藤賢一
  • 異国語をしゃべりながら一瞬で死ぬケイン・コスギ
  • あいのり
  • ツインテール小池栄子
  • 仮面ライダー山P
  • 終始ヤバい小栗旬

 といった感じ。

 

 総じて見ると、学芸会にしては金がかかっていて、昆虫アクションもがんばっていた。ポップコーンをつまみながら眺めると本当に楽しい。要所でサイリウムを振りながら「がんばれー!」と応援するとなおよさそうだが、残念ながらおうえん上映の話は持ち上がっていないようだ。

 CGの質もテイストも「逃走中」レベルだったり、たまにやる気のない演技だったり、雑に人が死んだり、あいのりだったり、無駄に過去回想をぶち込んだり、原作からまるで設定が変わっていたり、「漫画作品の映画化」としては破滅的だけど、学芸会なので問題ない。

 鑑賞前は一体誰が見るんだと思っていたが、地雷処理班はもちろん、「バカの学芸会」が好きな人ならまぁまぁ楽しめるので、GW中に気の置けない友人たちと観に行くといいだろう。ポップコーン食べながらね。そして、EXILEと地元のイオン、そして「ダチ」を愛するようなマイルドヤンキーにはウケが良さそうに見えた。

 

 もっとも、原作を読んだことがあり、かつ愛着があるならば、なにがなんでも鑑賞しない方がいいとは思う。そのくらい「これダメそうだな」と思えるところは原作未読でも察せられる。

 僕もあとで原作は読もうと思っているが、そのくらいには「ダメ」が積み上がっている。愛着のある積み上がり方だけども。