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『落第騎士の英雄譚』第1話「落第騎士Ⅰ」 感想

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 初速、熱量、テンプレ具合、どれをとっても活きがよい。これほどの破壊力は今年に限っても『新妹魔王の契約者』以来だろう。

 「主人公は最弱」「ヒロインがツンデレ炎使いお姫様」「魔法を使う学校」「闘技場」「着替えを覗いて決闘」「学校では評価されない項目」などなどなど、これでもかという最近のテンプレ要素を詰め込み、しかし早々にカップリングを形成するという変化球を投げ込んでくるのが『落第騎士の英雄譚』原作の特徴だ。一方でやや間延びするところもあった。

 だが、アニメ版1話は脅威の圧縮技術によって、怒涛の勢いで話が進む。倍速ではないかと錯覚するほどの勢いは、かの新妹魔王を髣髴とさせるほどだ。

 その一方で、「理解のしやすさ」は劣化していない。セリフの置き方には無駄がなく、背景設定も時折差し込まれる回想描写などで補完されている*1。単純な濃度はアスタリスクの30分の1.5倍は確保されていると見てよいだろう*2

 設定そのものはデュオの親戚だが、その上に新妹魔王級の濃度禁呪詠唱級の疾走感が奇跡的なバランスで共存している。これではただの佳作だが、ここに飛び道具として「すごいエネルギー!」という全裸空間*3が完備されている。さらに酒井ミキオの主題歌が高らかに歌われることで、理性ある狂戦士とでもいえる姿が顕現する。

 「新妹魔王と禁呪詠唱を混ぜ込んでスクライドでフランベしたアブソリュート・デュオ」というのが僕の抱いた印象だが、勢いバツグンで一本気があり、ぶっちゃけおもしろい。作画、戦闘シーン、演出なども比較的良質で、期待以上の作品になっている。この1話の勢いが持続するならば今期の覇権も夢ではない仕上がりだ。

 とはいえ、言い逃れようのない「最近のテンプレラノベ」具合*4は間違いなく人を選ぶところ。おすすめしたところで500gのガーリックステーキは胃もたれ必至である。視聴の際には体調に十分気をつけたい。しかし、油っこくともキレはよいため、一週間に一度の楽しみとして味わえる一品になるだろう。

 さまざま意味で今期の期待の星になり得るが、後続にはご存知新妹魔王2期などなど数多くの修羅候補生たちが控えているので、油断なく構えていきたい。

 

落第騎士の英雄譚<キャバルリィ>【電子特装版】 (GA文庫)

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*1:原作の地の文で述べられているが、1シーンとしてない回想シーンがかなりインサートされている。5割アニオリといっても問題ないが、口から語らせるよりも印象付けには効果的に機能している。

*2:ちなみに『学戦都市アスタリスク』並べると、同じコンセプトでも調理の仕方の差分がだいぶ異なるので、慣れれば「どっちの料理ショー」を見ているような心地になって楽しい。茶化す意味合い抜きでオススメ。

*3:上掲画像がその1カットである。

*4:冬の四大どころか「さすおに」まで完備しており、ラノベの常套手段の局所圧縮という意味では特異点である。