うらがみらいぶらり

チラシの裏のアーカイブ

「やりたいことをやる」物語としてのラブライブについての雑記

 劇場版ラブライブ!には十全に救われた僕だが、やはりあの映画を快く受け入れられない人もいるようで、それは仕方のないところだが、「海外へ行く動機とかライブシーンが雑」という物言いには首をかしげるし、正直こう思う。

 

「そんなの1期からそうだったじゃん。お前1期からなにを観てたの? 皿洗いしながら観てたの?」

 

 調べてみれば、そう書いてた記事はニコニコのブロマガ、該当の執筆者は過去に2期6話のパロディ問題をかなり雑に取り上げて雑にこき下ろして炎上し*1、他にも自意識だけが肥大化した記事を書き殴っているタイプの炎上芸人だったので「なるほどな」という感じだった*2

 ニコブロという媒体のイメージが0から-100くらいに下がったが、個別の例を取り上げて集団全体を決めつけるのはよくない。コミュ障を気取るDQNに偶然遭遇してしまった事故と思うようにしたい。

 

 それはそれとして、ラブライブ!という物語についてあらためて思いを馳せている。

 

 実際、劇場版のNY編は唐突だったし、ライブパートの時系列がよくわからない感じだった。しかし、重ねて言うが「あれこそラブライブ!」なのである。いきなり歌う。いきなり踊る。アクションは唐突だし、ライブも意外と突然降ってくる。

 一緒に観劇した人が「本来映画では切り落としたらまずいところまで切り落としてる」と感想を漏らしていたが、まさに劇場版はその極みみたいなところがあった。しかしまぁ、あんだけ「整合性」と言われる要素を切り捨てながら、ありあまる熱量と斥力で有無をいわさず「納得」させてくるのだ。「そうだよな。ここで歌うよな」と自然に了承できる力場が、ラブライブ!には存在する。

 表面をなぞれば断絶はあるけど、勢いの余波で十分わかるよね。つまるところハイコンテクストというやつかもしれないが、なんとなくそんな言葉は似合わない。 

 9人の輝きと熱量で駆動するモンスターマシン。それがラブライブ!なのだ。

 

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 話は変わるが、大学時代にラブライブ!1期が放映された際、「ラブライブ!についてディスカスしようや」とサークルの面々を集めて1期を視聴しながらあれやこれや話したことがある。対話の内容はまとめてコピ本にしてコミケで売った。よき時代である。

 そのディスカスにて僕がしきりに主張したのは、「ラブライブ!って、やりたいことをやるべきって教えてくれる物語だよね」ということである。

 「やりたいことをやるべき」という論理は、ラブライブ!全体を支配する根本原理だと思っている。穂乃果は、まさに「やりたいから」というトートロジーな理由でスクールアイドルをやるし、結果としてそれが学校内外の注目につながる。対して、「学園を守る」という責任感で動いた絵里は、学園長からやんわりと否定され、8話では希に図星を指される。あの世界では、自責の念とかで動くとペナルティが働くのだ。

 そして12話で、ことりの気持ちに気づけなかった穂乃果がμ'sの脱退を宣言し、直後に海未ビンタを食らうことになる。自責の念で動いたペナルティだ。穂乃果は自分のやりたいことに対して「わがまま」でなければならないし、そのわがままが物語を動かしていく熱量になっている。

 2期は言わずもがな、「ラブライブで優勝する」というみんなのやりたいことが強いエネルギーとなる。優勝シーンを具体的に描かずとも、その一心で動いたμ'sが優勝するのは自明の理のようなものだ。そもそも、それだけの熱量を持てば雨すら晴らせるのであり、大会の優勝なんて造作もないのだ。

 さて、そう踏まえると、劇場版は「スクールアイドルとして最後にやりたいことは?」というテーマを立てている以上、このテーマに沿って動くことは明白だ。最後の思い出として海外には行くし、活動はやっぱり終わりにするし、最後だから全国のスクールアイドルを召集させる。「スクールアイドルの今後のためにあえて続ける」という責任感で動く道理はどこにもない。彼女たちが望むことを、思うがままにやり遂げ、解散に至る。これが、劇場版におけるμ'sが光り輝く所以なのだ。

 

 たかだかニコブロに憤るのもなんか恥ずかしいが、自分の中で「ラブライブ!が本気で好きになれた理由」はやはり再確認したかったし、メタい視点だとしても、最も納得のいった解釈として、自分の中で大切にしていきたい。

 そしてこういうことを書いていると俄然劇場に行きたくなる。土曜に3周目、行っちゃおうか。特典も変わるとの話だ。

*1:人のことを言える身分ではないとはいえ。

*2:読むのも無駄な愚痴めいた記事なのでURLは貼らないが、気になる人は「オタクマガジン」とググってみるとよいでしょう。