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うらがみらいぶらり

チラシの裏のアーカイブ

上野で鶏肉を喰らう

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ここ最近気がついたのは、「ランチは1000円以上出すと満足感が跳ね上がる」ということである。

サラダや小鉢、メインディッシュにこじゃれた米やパン、ここにドリンクとデザートがくっつくというおひるごはんと会うには、だいたい野口英世を一人殺す必要がある。必要はないかもしれないが、個人的には遭遇率が上がる。お金を出した分だけ豪華になる単純な法則であり、それが経済学的にどう呼ばれるかは門外漢の身には見当もつかない。

が、そんなことはどうでもいい。問題なのは「おいしいおひるごはん」を食べることだ。

おいしいごはんを食べれば、心が晴れやかになる。それに気づいた僕は、「週末は一人で贅沢にランチをする」という習慣を設けようと思った。

そして先日、僕は上野の「LA COCORICO」に足を運んだ。他に用事はない。ただ1000円で、うまい鶏肉を食べるためだけに、上野へ行ったのである。

 

tabelog.com

 

 

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上野駅の浅草側の出口から、鶯谷の方へ線路沿いに歩いたところにこのお店は居を構えている。オープンカフェっぽいたたずまいなので、見ればだいたい一目でわかる。といっても過去に2回来ているので、すでに体が覚えている可能性は否定できない。

 

入店するや否や、左手にオーブンが構えているのが目に飛び込む。中では、鶏肉がぐるぐる回っている。

鶏肉が、油を滴らせながら、ぐるぐる回っている。

これはもう、大変なことだ。「あぁ、鶏肉がうまいのだろうなぁ」と暗示させられる。そう、このお店のウリは、ロティサリーチキンなのだ。

 

ウリたるロティサリーチキンは、ランチメニューでは「ロティサリーチキンプレート」として、1/2サイズ(¥1,500)と1/4サイズ(¥1,200)が用意されている。少食でチキン野郎な僕は1/4サイズを注文した。

オシャンティな内装にウキウキしながらお冷を飲んでいると、まず最初に前菜軍団が運ばれてくる。

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サラダリゾットオムレツペースト付きバゲット。これだけでもはや「ありがとう」と両手を合わせてしまう。というかこれにアルコールが添えられていたら完全にフィニッシュ、S判定の完全勝利であろう。これを覚えてたので1/4にした、というのは大きい。

「量より種類」という人間にとって、こういう盛り合わせが最初に出てくると、お得感をフルに味わえて幸福になる。ちびちびいろんなものを楽しみたいタイプの欲張りだ。

 

ひとりで前菜たちを「よきかな」と復唱しながら堪能し、お皿が空になったタイミングで、いよいよ本丸・ロティサリーチキンが上洛する。

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写真であらためて見てみると案外小さいが、実物を前にすると「と、鶏肉だ」以外の思考が停止する。これにバターライスが添えられ、さらにレモンと山椒パウダー、唐辛子なソースもくっついてくる。よりどりみどりだ。

このチキン、特筆すべきことがある。皮がパリパリなのだ。

ナイフをちょいと皮の上を走らせるだけで、パリッという感触が手に伝わる。口に入れりゃ小気味良い歯ごたえが聞こえる。

焼いた鶏肉の皮。それだけで天国に行ける人種がいる。僕もその一人だ。それがパリパリなのだ。生きながら極楽浄土確定である。

 

ただし、このロティサリーチキンは「箸で切れるほどやわらかぁい♡」などという軟弱なコメントを許すような代物ではない。

このチキンには骨があり、当然これを食すとは、骨から肉を剥ぎ取るというプロセスを経ることである。うわっ、すげえ蛮族っぽい響き。

ナイフの扱いに長けていないと、このチキンの解体はそこそこ手間取る。しっかりとした肉なので、ナイフも意外に通らないことがある。もっとナイフの練習をすればよかった。直死の魔眼がほしい。高周波ナイフがあれば。そうしたもどかしさとともに、肉をちょっとずつ切り離し、口に運んでいく。

この過程がとても楽しい。サンマがあれば骨だけ残すように箸を動かすタイプなので、ナイフとフォークでチキンを解体するのは性に合ってるのだろう。

それでいて鶏肉がうまい。パリパリの皮に、油が滴るのにさっぱりとした身。薬味のおかげで味も飽きない。

味だけでなく、食べるまでの過程で一人で盛り上がってしまい、傍目には「全身を使って食べる」と指摘されても不思議じゃない様子だっただろう。そんなことせず両手でつかんでかぶりついちゃうのもアリだと思います。

 

こうしてひとりで解体の宴を終えると、見計らったようにデザートと食後のドリンクが運ばれる。

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本日のシフォンケーキは抹茶だった。控えめな甘さが、ロティサリーチキンと格闘した身に染みわたる。他にもコーヒーゼリーやビールゼリーなどからデザートは指定できる。すばら。

 

そしてアイスティーを飲み終えたグラスには、店のロゴマークとおぼしきものが。

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どこまでいっても、やはりチキンなのである。というか、"cocorico"ということば自体、フランス語における「コケコッコー」に相当するものなのだとか。当たり前だが、店名とは重要だ。

 

こうしてひとりでのほほんとロティサリーチキンを堪能し、どこか清々しい気持ちで店を後にした。

上野を歩きながら驚いたのは、肉を食ったのに胃もたれがしないことだった。こういった肉料理は本当に心地よい。やっぱ鶏肉はよい。

そしてそのまま秋葉原までなぜか歩いていった。本当に上野には、ただこのロティサリーチキンを食べるために行ったのだ。だが、それでいいと思えるほどの満足感だ。これで¥1,200なのだから、コスパはかなりいい気がする。

 

とにかく、休日にひとりでうまいチキンを食べると、最高であることがわかった。

今後も適当に開拓していきたいが、もし見つからなくても、上野に行けばいい。渋谷にも店舗があるらしいが、まぁ、行き慣れた上野に行けばいいのだ。そこにロティサリーチキンが待っている。