うらがみらいぶらり

チラシの裏のアーカイブ

「不憫だが健気」に弱い話

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殊に『アブソリュート・デュオ』の視聴が継続している理由として、穂高みやびの存在が挙げられる。

上から数えて3番目*1。生まれ落ちたその瞬間から「負け」を約束された、悲しき運命のラノベヒロインだ。

僕が彼女に惹かれる理由。それは健気な性格と、不憫な作中の扱いだ。8話は彼女の魅力を無限に楽しめる傑作だったが、同時に僕の心に深い傷も残し、全快には『たまこラブストーリー』を1周する必要があった。

穂高みやびについて無限に考える中で、僕が好感を抱くキャラクターは「健気」という性格で包括可能ではないかと気づいた。以下は、「健気と不憫」にまつわる思索の痕跡である。

 

 

穂高みやびについて

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僕の基本仕様として、巨乳は好きになりにくい傾向がある。他ヒロインを差し置いて好感度筆頭に上り詰めた穂高みやびは、僕の中では極めてレアケース、いわば《異能(イレギュラー)》である。

2話ではよくある男性恐怖症巨乳*2かと思った。しかし、一人で健気にグラウンドを走り、電波的一目惚れというよりも「徐々に好きだと気づく」という王道の流れ、しかし奥手、だけど露骨な奥手ではなく透流の前でごまかしもするなど、回が進むにつれて好感度にプラス補正がかかる要素が積み上がっていた。

そして8話、8話である。この回だけで、僕の中のアブソ評点はおよそ300倍の最大瞬間風速を観測した*3

 

こんな奥手な子がよォ!

勇気を出して告白するとかよォ!

胸にぶっ刺さらないわけないじゃんかよォ!!

 

そんなこんなで告白したみやびちゃんは、透流の謎のフラッシュバックによってフラれてしまい、10話でドスケベスーツ闇堕ちという大輪の花を咲かせるわけである。

ちなみに僕は邪悪なオタクなので、この先の展開はWikipediaによって得ている。とはいえ、この場は報われない。報われないヒロインを見ると、僕の心も傷つき、応援したくなる気持ちが湧き上がる。健気な子であれば、なおさらである。

 

 

シン・アスカの幻像

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「不憫なキャラクターに肩入れしたくなる」という自分の習性について考える。その起源は、おそらくシン・アスカだろう。

事実上の主人公降板という、全ガンダムシリーズを通しても類を見ない不遇っぷりをほしいままにする彼には、リアタイで種運命を視聴していた当時から同情していた。もちろん、キラ・ヤマトへのヘイトも同時進行で上昇した。

そのためか、シン・アスカが他作品とクロスするSSは相当読み漁ったし*4、Gジェネでは常に彼を一軍に入れていた。「本編でダメなら、せめて外では幸せになってくれ…」という気持ちの現われだろう。

シン・アスカとの出会いは、僕の好み形成に相当な影響を与えている気がする。仮にキラが好きになっていたら、今ごろ「ユリエちゃんかわいいぶひい」と言ってた可能性は高い*5

 

 

健気少女育成ゲームとしての『ファイアーエムブレム』

もう一つ、「健気」に惹かれる習性についても考える。己の経歴をさかのぼる中で、『ファイアーエムブレム 烈火の剣』ニノが、原典として強く考えられた。


プレイ当時小学生だったが、ニノはとにかく強烈にかわいかった。と同時に、不憫を通り越して不幸極まりない生い立ち、どうあがいても不幸な後日談など、幼心をズタズタにするエピソードもたくさんあった。だからこそ、ジャファルとの支援A会話は光り輝いていた。*6

そんなニノというキャラクターを中核を為す概念こそ、「健気」だろう。

どんなに辛い境遇でもひたむきに歩み続ける姿は、ただただ純真だ。それゆえに応援したくなり、「報われてほしい」という気持ちが芽生えるのだ。

 

そしてFEにはニノ以外にも「健気な少女」がたくさん出てくる。『聖魔の光石』アメリアはニノに近しい生い立ちながらも、後日談が幸福に満ちていて心があたたまる。『蒼炎の軌跡』ミストは本編にしっかり絡んでくるので味わい深かった。『覚醒』ノノとは結婚すら可能だ。無限に妄想可能だが、支援会話はどれも健気な性格を感じさせてくれた。

こうした少女たちを自軍のエースとして育成できるシステムによって、FEは僕の本質的欲求のひとつを小気味良く満たしてくれる。それにしてもロリばかりだ。FEは僕をロリコンにしてくれる。そして余計に、穂高みやびの異質さを感じる。彼女らをつなぎあわせているのは、ひとえに「健気」である。

 

 

報われれば最高になる 〜もち蔵の事例〜

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「不憫だが健気な子はよい」という話をしてきたが、不憫のまま終わるのも個人的にはさみしい。せっかくならば、物語の中で報われてほしい。物語中では報われることがほとんどなかったシンを見ていると、余計にそう思わされる。

だからこそ、『たまこラブストーリー』は最高だったという話だ。つまり、もち蔵の話である。

大路もち蔵は、『たまこまーけっと』の時点では「主人公に片思いするも報われない幼なじみ」という立ち位置を強いられていた*7。そんな彼が、『たまこラブストーリー』では意を決してたまこに告白し、紆余曲折を経て恋が成就する。日常系な物語の「主人公に片思いするも報われない幼なじみ」が報われることはほとんどない。本編の延長線上とはいえ、片思いが実を結ぶこの物語は、僕にとっては非常に心地よかった。

思えば、僕はもち蔵に対し、シン・アスカに対する同情を抱き、ニノに対する応援したさを抱いていたのかもしれない。そんなキャラが、二次創作をせずとも報われる姿に、僕はいたく感動したのだろう。

『たまこラブストーリー』は最高である要素は無数に挙げられるが、少なくとももち蔵が報われた点は、欠かせない要素である。

 

サブヒロイン・脇役は、物語的にあまり恵まれない立ち位置に置かれやすい。これは、主人公やメインヒロインを中心に据えた以上、仕方のないことである。ヘゲモニーは往々にして中央に定められるのだ。

僕の好みはいわば「マイナー嗜好」と言われるものだろう。「マイナー推しで周囲と違うアピール」は煙たがれやすい。「光の当たらない存在が報われてほしい」という純粋な気持ちを、これからも大切にしたい。

 

*1:公式サイトを参照のこと。

*2:余談だが8話のFカップ自己申告は膨大なシコリティ加算につながった。

*3:ちなみに直後の9話で平時の評点に戻った。

*4:当時やたらとなのはクロスSSが多かったのは時代ゆえであろう。組み合わせでおもしろかったのは、フェイト・テスタロッサとレイ・ザ・バレルのクローンつながりSSだった。

*5:ユリエも四大の看板ヒロインの中では一番好きです。念のため。

*6:育てればレベル5下級職から自軍エースまで成長してくれる点も見逃せない。Lv20賢者まで育ててネルガルにぶつけるチャレンジは、誰もが通る道だろう。

*7:これは、"Everybody loves somebody" という物語テーマによって、「個人が個人を愛する物語ではない」という作品法則が支配していたからだった、というのが個人的見解だが、それは置いておく。