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うらがみらいぶらり

チラシの裏のアーカイブ

如月眠りし砂上のカレー 〜艦これアニメ6話所感〜

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木曜に早起きして艦これ最新話を確認する、という日課が板につき始めた。

睡眠時間をわずかに削り、艦娘がワイワイするアニメを観る。「今回もこんなものか」という感想を抱く。そのまま家を出発し、電車に揺られながら最新の艦これ感想ツイートを探す。おおむね「新妹魔王の前座だ」と言う人々の感想だ。毎回変化するハッシュタグが端的に最新話を表現していて趣深い。

ということはさておき、アニメ艦これ6話は、まさに「こんなもんか〜」という感じであった。

ロリコン視聴必至ともいえる、純度100%の日常回となった6話。僕の観測範囲では、賛否両論の様相を示している。如月が水底に沈んだ3話と比べればまだマシだが、それでも地獄の一丁目であることに変わりはないだろう。

この6話は、「単品としての出来」か「一部分としての出来」のどちらを重視するかによって、評価が変わるように思う。また、好きな艦娘が誰であるかによって、天国か地獄が分岐するようになっている。そして、いずれにせよ如月の轟沈はどんどん無価値へと接近している。以下、艦これ6話に対するざっくばらんな所感を記す。

 

 

6話「だけ」を見た場合

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いまやアニメ艦これといえば、如月が沈んだ3話を避けて通れない論調となりつつある。それをあえて無視し、6話単品を切り出してみた場合、なかなか出来としては良いものになっている。

この回の内容は「第六駆逐隊が鎮守府カレー大会に参加を目指してカレーを作る」という至極しょうもないものだが、恵まれた作画、第六駆逐隊のかわいさ、終始日常に徹したシナリオなど、「こういう日常アニメ」として見れば、十分きらら枠として売っていけるラインである。特訓のくだりを抜いた2話のようなものなので、他の回よりはマシ、という評価を下す人も一定数いるだろう。

事実、「俺たちはこれを求めていたんだ」という声はそこそこ見かけている。暁型ラブなロリコン提督の無条件好評価を抜きにしても、戦火を感じさせない「やさしい世界」にやすらぎを感じた視聴者は、6話によい印象を持つだろう。

しかし、「5話までを踏まえた6話」という視点に切り替えると、また事情が異なってくる。

 

これまでを考えた上での6話

3話で唐突に味気なく如月が沈んだ。その後の展開に注視した視聴者は多いだろう。しかし、待ち受けていたのは壮絶なギャグ時空。『ジュエルペット サンシャイン』や『聖剣使いの禁呪詠唱』と同質の空気の中で繰り広げられる喜劇であった。

睦月が発狂するのか、吹雪が殺戮者としてエントリーするのか。そういった期待とは裏腹に、やってきたのは劇団金剛姉妹と、多動性スレスレの島風。如月ショックによる「アニメ艦これ切り勢」が、堂々増員されるきっかけとなった。

話の中身も、よくわからないうちにいい話っぽくまとめられ、続く5話では第三水雷戦隊解散となり、レズや七面鳥が跋扈する密室へと視聴者は追いやられた。「顔見せのために毎回解散するんじゃないのか…?」という邪推すらもたらす、怒涛の展開である。

そんな中でやってきたのが、「カレーの材料のために遠征だ〜!」である。誠実な視聴者であれば、「あれだけふざけておいてカレーだぁ!?」という怒りに駆られても仕方ないところだ。

つまるところ、3話の轟沈ショックの後に、轟沈など振り返らないギャグ回三連星を見せられては、おもしろい回であっても素直に喜べない人種もいるのである。「6話は良かったけど、6話をまともに配置できる道筋を引けやタナカス」という怒りを持つと、艦これ6話も「クソ回」として一蹴してしまうだろう。

 

「嫁艦」が明暗を決める

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視点ごとの6話の映り方を記したが、6話の中身も「個人の趣向」によって「最高かクソ」が分岐する要素が存在する。

まず、6話の主役を務めた第六駆逐隊は、これでもかと魅力的かつ無難に描かれている。なにせ、これまでハラショースピーカーに徹していた響が、まともな人語を話していることに感動する人が後を絶たない。4話の金剛四姉妹のようなとんでもないギャグ化が施される悲劇も回避し、現状ではもっとも上手に描けている艦娘と言っても過言ではないだろう。暁型だいすきなロリコンたちにとって、6話が「聖典」となるのは当然の理である。

一方で、煮え湯を飲まされた視聴者も少なくない。その筆頭は足柄提督であろう。

2話の時点で「行き遅れ」ネタが飛び出し、すさまじい怒りに駆られた視聴者がいたが、製作陣にとっては些末事だったのだろう。2話以上に「飢えた女」がプッシュされた。それも「教え子の第六駆逐隊に大人げない威嚇」「那珂ちゃんに思いっきり煽られる」というとびきりの火薬つきで放たれたのだから、円盤予約キャンセル宣言がなされても致し方ないだろう。足柄をこよなく愛する者にとって、6話とは「焚書」以外のなにものでもない。

他にも、引き続き知性に乏しい金剛思いっきりキャラが崩れた霧島、つまみ食い女王赤城ヤンレズ化の大井艦隊指揮そっちのけでカレー大会を見守る長門など、「こんなのヘタな二次創作よりひでえ」と叫びたくなるようなありさまの艦娘が、数多くいる。一方で、工廠通いの夕張、いつもどおりの愛宕など、安心できる艦娘も存在する。彼女らを推している人は、辛うじて生き残れたといえよう。

ともかくも、如月を筆頭として、艦これアニメは人によって当たり外れが大きくなる。そのようなキャラの描かれ方がされているからだ。それは、キャラ人気の弱肉強食社会であり、二次設定で肥大化するキメラコンテンツの姿である。

 

砂上のアンソロはいつまで続くか

6話までの艦これを総合して、「まるでカーニバルファンタズムのようだ」と評した人がTwitterにいた。まったくもってその通りであり、4話〜6話は特にカーニバルファンタズム感の強い回だった。

「支離滅裂」と言われかねないアニメ艦これの構造は、まさに「アンソロコミック映像化」である。日常あり、ギャグあり、シリアスあり。なんでもありな二次創作のるつぼなのである。しかし、各話の配置をミスったせいで、「Fate本編にカーニバルファンタズムギャグ回が差し込まれまくっている」とでもいう状態に陥っているような印象を受ける。

「どんな話にもできる」とは一つの強みではあるが、「どんな話にするか」を決めないまま進めれば、空中分解は免れないであろう。6話まで様々な暴れ方を見せた上で、今後の話数でどうするか。砂上のアンソロが無事に生き残るか、やはり注視を続ける必要がある。

そしてなんにせよ、このままだと如月の轟沈はどんどん無価値になっていく。いつか拾われる時はくるのか。それとも「沈んだ船」として終わるのか。良質なカレー回であっても、如月提督たちの喪中は続くに違いない。

 

 

*余談

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真っ当に描かれた響は心底かわいかった。これだけは真実である。

あと、つなぎタンクトップの夕張は、僕の中の夕張像に合致していてとてもよかった。

それ以外によかった点はとくにない。響がかわいかったのが不幸中の幸いだ。