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うらがみらいぶらり

チラシの裏のアーカイブ

ラヴニカとしての艦これアニメ界隈 〜鎮守府を囲む7つのギルド〜

「艦これの海が燃えている」と書き出したら、このブログにも燃え移っていた。というより、昨日の記事が火種そのものだった可能性は否定できない。ラノベアニメ四天王の時よりもはるかにデカい反応だったのは、ただただ驚愕に値する。

それはさておき、「如月の雑な死は無価値」という考えに至る裏で、僕の中ではこんな考えも抜錨していた。

 このツイットを見て、どこかの誰かが「ソーシャルアニメ」なることばを発し、そんな「ビビオペ2.0」よりも可燃性がヤバいバズワードを作るなと叱った。しかし、艦これアニメを中心として、複雑なソーシャルの網目が広がっていることは事実だろう。

この混沌とした状況を目の当たりにし、僕はとっさにラヴニカ/Ravnicaを連想した。そして、沈みゆく如月や、一航戦誇りの当たり前体操を取り囲む多種多様な人々は、まさにギルド/Guildそのものだろう。

そして、今や艦これアニメとは、鎮守府を取り囲むギルドたちの謀略が渦巻き、せめぎあう、巨大な舞台と化しつつあるだろう。最大のエンターテイメントは、物語の外に着々と芽吹きつつある。

我が鎮守府。我が艦娘。我が艦これ。

以下にて、僕が観測し得る「艦これに巣食うギルド」を列記する。どこに所属するか、どこにも所属しないか。それを選択するのは、あなたたちだ。*1

 

 

艦娘ラブ勢

我が子。我が愛。我が艦これ。

艦娘ラブ勢にとって、まず注目するものは愛おしい艦娘たちである。手塩にかけて育てた娘のように、彼らは艦娘を愛を投じ、時によっては金をも投じる。そして、艦娘たちがアニメでいきいきと動く姿を見た時、彼らは至上の喜びを得るのである。たとえシナリオが壊れようとも、ラブ勢の提督たちにとっては些末事でしかない。

愛に対し盲目である彼らにとって、轟沈とは禁忌そのものである。如月が沈もうものなら最後、真っ先に悲しみ、アニメ本垢へ無慈悲な突撃を仕掛けるだろう。この集団にとって、艦娘とは「生きた人間」であり、自らの命よりも大切にする存在である。艦娘ラブ勢によって今の艦これは支えられているが、同時にアニメの選択肢を狭めている。

 

史実組

我が戦史。我が再現。我が艦これ。

実在の戦闘通りに動き、元になった船が歴史通りに沈むか。史実組にとって、それが唯一の関心事だ。彼らの頭の中は、第二次大戦の知識と感慨で満たされており、往々にして気難しい語りたがりである。艦これを知識の面から支え、時にその慧眼は他のギルドにも舌を巻かせる。同時に、よそから煙たがれるのも史実組の「研究者」たちだ。

この集団にとって、如月の轟沈とは「ウェーク島の再現」であり、自らの信奉する知識との整合性に恍惚としている。史実組において、艦娘は戦史の模倣を実行する駒でしかない。すでに彼らは、次なる犠牲者の上に静かにチップを置き始めているのだ。

 

シコり手

我が性欲。我が射精。我が艦これ。

シコり手の教義では、艦娘は娘であり、恋人であり、部下であり、ソープ嬢であり、レイプ対象であり、母であると定義される。シコり手の最終目標は、よりよい射精である。そのために、彼らはあらゆるシコ要素を探し出し、あらゆるシチュエーションを受け容れる。シコり手にとって、アニメとは豊かな「おかず」をもたらす恵みの大地である。

よりよい射精を追求した結果、彼らの視界から一切の物語が立ち消えることがある。如月に死亡フラグが立つこと以上に、高雄のスカートから覗く白いパンツや、隠されし愛宕の陰毛が、シコり手の教えでは尊重される。アニメに深く潜り込みながらも、喪失の恐怖に怯えることのないこのギルドは、ある意味最も強靭な存在であるといえよう。

 

弓道警察

我が弓。我が正しさ。我が艦これ。

広大な艦これアニメ界隈において、弓道警察は最も異質な集団だ。彼らの目はシナリオやキャラには向けられず、ただ「弓の描かれ方」にのみ視線を注ぐ。弓道警察にとって唯一の正しさとは「弓道の作法」であり、これに背くものは全て敵である。弓道一筋の人生から生まれたその価値観は、外野からは狂気にしか見えないことを、彼らは知らない。

アニメ放映以前のころより、弓道警察は暗躍した。左脚を浮かせた加賀、水面を滑走して射る赤城は、真っ先に排斥の対象として矢を放たれたのだ。その危険性から、他のギルドから真っ先に叩きのめされたが、彼らが悪びれることはない。今こそ姿を見せないが、来たる「正しくない弓の描写」の出現に合わせ、復活の時を待ち続けている。

 

リョナオーク

我が嗜虐。我が快楽。我が艦これ。

鼻息を荒らげ、様々なアニメ界隈を渡り歩いてきたリョナオークたちが、如月の轟沈を聞きつけ一大集落を形成した。彼らはひとつの集団であると同時に、ひとつの種族であり、ひとつの宗教である。リョナオークたちにとっての至上の快楽とは、四肢と臓物をまき散らすような少女の死である。彼らにとって、残虐な死の音は盛大な宴の合図でしかない。

アニメ有史以前より、リョナオークたちは艦娘たちを絶望させ、虐殺することで、快楽を貪り続けていた。彼らの耳に「愛」や「正しさ」といった言葉は届かない。少女に対する無尽蔵の嗜虐心こそ、リョナオークにとってただひとつの「価値」である。如月の轟沈では物足りぬ彼らは、次なる晩餐を求め、粗暴な足音を響かせるだろう。

 

クソアニメハンター

我が混沌。我が戦争。我が艦これ。

クソアニメハンターは、精神異常者や社会不適合者によって構成されるならず者の集団だ。数多の次元を渡り歩き、宇宙創成の光や第二次魔法戦争を経験した彼らにとって、普通の物語は便所の落書きにも劣る。その行動原理は、飽くなき好奇心と、嗜虐と被虐の入り交じる衝動だ。そして、彼らによって光り出したクソアニメは歴史に名を残す。

ハンターたちはしばしば、自らの悦楽のために戦火の種を撒き散らす。クソアニメにするのではなく、目に映るアニメをクソアニメと吹聴し、人々を争いへと煽動するのだ。行く先々で戦争を引き起こす彼らは、まさに死の商人である。健気な艦娘の暮らしすら、ハンターたちの悦楽のために、無残にも叩かれることになるだろう。

 

ブログ連合

我が承認。我が糧。我が艦これ。

ブログ連合において、ギルドという枠組みは意味をなさない。自らの声を形にし、サーバーに捧げて広めるために、手段の統一は不要だからだ。FC2街やはてな村などに点在し、各々のやり方で艦これアニメ界隈に持論を届け、情勢を伝えている。ただし、連合の外から見れば、彼らは全て鼻につく気取り屋でしかない。

ブログ連合につながる者は主義も異なる。大多数に声を届けて承認欲求を満たす者もいれば、大多数に情報を伝えてアフィリエイトを稼ぐ者も入る。一枚岩の集団とは程遠いため、内部では小競り合いが絶えない。ただし、表現と手段の過激さは共通するところであり、しばしば他のギルドの怒りを買うことになる。

 

 

現況と今後の展望

第3話まで放映した現時点で、各ギルドは以下の様な状況になっていると推測される。

 

・艦娘ラブ勢

 如月轟沈の報を受け、如月提督はしめやかに葬儀を執り行った。それ以外の提督も、明日は我が身という思いで恐怖しているか、怒りのあまり艦これアニメを切った。

・史実組

 上記の通り、次の轟沈の予測を開始している。また、「史実通りに大半が沈むか」という最終的な結果についても検討が始まっている模様である。

・シコり手

 高雄のスリットから見える白パンツ、愛宕の陰毛お守りなどで、自給自足の生活を送っている。しかし、轟沈に対するリソースの損失を恐れる者もいる。

・弓道警察

 1話から忽然と姿を消している。4話以降で「間違った弓の描写」が出てきた時に備え、どこかに潜伏している可能性が高い。

・リョナオーク

 如月の轟沈を聞きつけ、にわかに集まり始めている。しかし、その死に際があっさり味だったため、より自分好みのスプラッタを求めて滞在すると予想される。

・クソアニメハンター

 1話から着々と活動を続け、3話で一気に表舞台へ出てきた印象が強い。4話の気の抜けたサブタイと相まって、鎮守府が彼らの次なる戦地となる日も近い。

・ブログ連合

 3話の感想や意見を執筆、あるいは視聴者の感想をかき集めることで、手堅く閲覧数に錬成している。彼らにとって、艦これアニメの一挙動全てがエサである。

 

現状で、大きな活動をしているのは上記7つのギルドである。ただし、未だ姿を見せないギルドの存在も否定できない。また、ギルド以前にそもそも艦これはアニメが初見の民もまた無視できない。何色にも染まっていない彼らが、これらのギルドに組み入れられてしまうか、はたまた「初見組」とも呼べる新たなギルドを立ち上げるか、注視すべきであろう。

きな臭い言い方をすれば、艦これアニメ界隈は、すでにひとつの社会となりつつある。そこには無数の物語が生まれ得る。そして重要なことだが、このラヴニカの住人はかなりの割合でプレインズウォーカーであり、ある時はシンデレラガールズ次元へ、ある時は禁呪詠唱次元へ渡り歩くということだ。他の世界との比較も容易になされ、また艦これに愛想を尽かして別次元へ飛んで消え得ることを、大前提として忘れてはいけない。*2

先の見えぬ艦娘たちの行く末と、ギルドたちの抗争。アニメの外にまで散りばめられた悲喜劇、珍事件こそ、艦これアニメ最大のエンターテイメントではないだろうか。

 

 

余談

ラヴニカの回帰ドラフトで竜英傑の方のニヴ様を引いてから、イゼットカラーのEDHを作る程度にはイゼットが好きです。なので、僕の思想そのものもイゼット寄りなのかもしれません。ごちシコ論とかね。

*1:ラヴニカとギルドとは

ちゃんと説明すると長くなるのでざっくり説明すると、「都市で埋め尽くされた世界」がラヴニカであり、それを統括する10の集団が「ギルド」である。ラヴニカには無数の種族が共存し、それぞれ独自の教義を持つギルドに属し、この世界に暮らしている。早い話が「壮大なチーマー」である。

艦これ界隈もまた、様々な趣向を持つ人で溢れかえり、彼らのクラスタはひとつのギルドと見立てられる。

*2:とりわけクソアニメハンターは同時並行で様々な次元を渡り歩いている。