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これまでの「結城友奈は勇者である」【1話〜6話】

これまでの「結城友奈は勇者である」

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「結城友奈は勇者である」がにわかに熱を帯びて広がり始めている。「ほれみろー!」とは言わないが、単なるビビオペで終わらなかったことは事実であろう。加えて、下半身不随激シコ少女こと東郷さんの存在もある。今期最も追うべきアニメであることは想像に難くない。

えっ!? まだ観ていない!? それはもったいない!! ぜひ観よう!!

6話以上放映されたアニメを今から追いかけるのは若干苦労する。そこで備忘録も兼ねて、これまでのゆゆゆを簡潔にまとめて、本編流し見でもある程度大丈夫な参考資料として、本稿を書き残すものである。なお、本稿では物語の折り返しである6話までをまとめる。

 

キャラクター紹介

ゆゆゆの登場人物は以下の5人をおぼえれば万事解決する。というのも、この5人以外はほぼ皆モブキャラだからである。

 

・結城 友奈

 この物語の主人公でありタイトル。本作におけるビビッドパンチの使い手である。
 ビビオペ星の宿命を背負っているため、底抜けに明るいが知性に乏しい。
 全く描写がないが武芸の心得があり、クウガ直伝の段階変身を使いこなす。

 

・東郷 美森

 芋砂。車いすユーザーだが、変身後は全身から触手を生やして移動する。
 黒髪ロングに巨乳、さらには下半身不随まで併せ持つ驚異的シコリティを誇るが、ネトウヨである。
 jQueryを用いたWebサイト実装、手からアルファ波を出す、おはぎを食わせ続ける、などの多彩なスキルを持つ。

 

・犬吠崎 風

 大剣厨。ガード強化で元気玉も防ぐメイン盾である。
 黄色、金髪、巨乳、先輩風を吹かすなど、数多くの死亡フラグで視聴者を湧かせながら、飄々と生き残る罪深い女。
 ガサツに見えて家事スキルがMAXであり、タカヒロ諸作品から流れてきた可能性の高いおねえちゃん。

 

・犬吠崎 樹

 風の妹。ガストレアウイルスに感染せず、無事中学に進学したイニシエーターである。
 真面目でおとなしいタロット少女だったが、なにを思ったのか歌い手志望になってしまう。Youtuberでないのが救い。
 ニーアBGMを引っさげて死亡フラグを乱立させ、姉もろとも死亡フラグを共倒れさせた罪深い妹。

 

・三好 夏凛

 煮干し女。最初は公式HPにもいなかったが、いつの間にかOP映像にしれっと入り込んでいる中野梓である。
 スナックのようにサプリメントを常用するドラッグ女。その割に食事はコンビニ弁当にしちゃううっかり者。
 「完成形の勇者」を自称しているが、加入時の能力調整で弱体化してしまった。

 

各話概説

■1話

仲良し4人組の人形劇からはまんがタイムきららを感じさせるが、その直後に現れる「神樹さまへ拝む」シーン。「幸福の科学学園かな?」という戸惑いを視聴者に与えて、ゆゆゆ第1話はスタートする。

勇者部とかいう要するにボランティア部の日常でも描くような雰囲気をバラ撒きつつ、Aパートの犬吠崎の姉にメールが届くカットを皮切りに、あれよあれよと時間停止が起こり、きれいなイヌカレー空間へ招致される。Bパートからは完全に異空間内で物語が進行し、ド王道ともいえる流れでメインキャラが次々と変身する。そして結城友奈による勇者パンチによって1話は締められ、これが復活したビビッドパンチであることは以前に述べた。

Aパートまで見た人のおよそ8割は「まどマギかな?」と口にする。とはいえ、きんモザ世界からまどマギ世界へ叩き込まれるかというとそうでもなく、すでに冒頭から「微妙にちがう世界」が提示されているので、ショック死を起こす可能性は低いと思われる。

1話はとにかくド王道であり、取り立てて奇をてらったところはない。これは「勇者」というテーマからして、まっすぐでひねらない流れにするべき、という判断によるところだろう。このあたりも、魔法少女の文法を逆手にとってサクサク序盤を進めたまどマギと共通する。「最初はスタンダード」という展開はスタートがシンプルになり、後の衝撃を大きくすることができる優秀な手法である。

重要なファクターとして、段階変身中の友奈のセリフが挙げられるだろう。

「嫌なんだ。誰かが傷つくこと、つらい思いをすること!みんなが、そんな思いをするくらいなら!私が、がんばる!」

多数の幸福のためにたった一人でも力を尽くす、自己犠牲とも捉えられる考え方。これが後に勇者部に形となって降りかかることをおぼえておけば、ゆゆゆを最大限に楽しめるだろう。

 

■2話

地上波では1時間SPとして1話から続けて放送したため、バーテックスとの戦闘の続きから始まる。「1話後編」とも言える2話は、封印から始まる撃破の作法、大赦を含むそもそもの世界観など、1話では話されなかった設定を公開する説明回である。もっとも、説明は前半までであり、後半はいきなり3体同時出現、そして1話で変身できていない東郷さんの変身を描く。

「東郷さん強え、あとでけえ」というのが主な感想となるだろう。なにより東郷さんのみ別個で変身させ、戦闘力も別格にする。露骨な引き立たせ方であることは嫌でも気付かされるだろう。

いわばこの回は東郷さんの掘り下げ回であり、同時に「彼女はこの物語のキーパーソンである」と提示する回である。彼女が単なるパイオツのデカい下半身付随女子中学生でないことを示すことは、非常に重要である。

 

■3話

いきなり1ヶ月後に飛ぶ。飛んだと思ったら、前情報もなく5人目の勇者が現れ、単騎でアローンじゃなかったバーテックスを撃破する。いろんなところでおなじみ「遅れてきたエリート」の登場である。ついでに主人公たちの学校に転入してくる。おなじみな展開であろう。

この回、戦闘シーンは冒頭のみである。代わりに描かれるのは、ぽっと出のエリート勇者・三好夏凛を勇者部一同で歓迎しよう! という話である。日々訓練を重ね、食事もコンビニ弁当と栄養サプリメントで済ませる。友だちは作らない。むしろいらないと言う。エバンゲリオンの中に帰れやテメーと言いたくなる振る舞いだが、次話を待つまでもなくBパートで丸くなる。

つまり、キツキツな性格のエリート少女も、みんななかよしのレズソーシャルに放り込めば一瞬で軟化することを、3話では立証し、実践しているのである。この手法、おそらく1クールという短期間で物語を妥当に進めていくために必要な、展開の圧縮技術ではないだろうか。

この時点で、ゆゆゆは「王道展開」「圧縮展開」と活用することで、サクサク進めていく物語であることが明らかになる。ビビオペが大味なヴァラクートだとすれば、ゆゆゆはさながら手堅いクロックと言えよう。

 

■4話
あ^〜ともよ姫〜な豚回に見えるでしょう? 中にいたのは刻みジェイスでした。

大赦メールに関する風と夏凛の会話で「先輩の姿を見ておきなさい」と風が先輩風を吹かすのは序の口。Bパートに入った瞬間、どう聞いてもニーアなBGMが流れ出し、樹がこれまでの人生をなんの脈絡もなく振り返り始める。自殺しがたるメンヘラすらここまでの素振りは見せまい。案の定ニコニコ動画には「一級フラグ建築士」のタグがつけられていた。

近年まれに見る死亡フラグのラッシュだが、単なる死ぬ死ぬアピールではなく、4話は犬吠崎姉妹の掘り下げにあてられた、さりげなく重要な回である。「お姉ちゃんは唯一の家族だもん」と1話でともよ姫が言っていたものの、姉が家事の一切を切り盛りするシーンとか、寝起きがどう見てもティナ・スプラウトな妹とか、ニーアBGM回想とか、犬吠崎がどのような生い立ちで現在に至るのかをこれでもかと描いている。これでもかとベタな手段で、である。姉が怪我した妹をおぶるって随分見てないぞ。

露骨な回想と同時に露骨なフラグ建築まで合わさるのだから、敏感な人には乾いた笑いすらもたらす回になるだろう。しかし、回想シーンでどっぷり感情移入してしまった人は、うず高く積み上がる死の気配にただただ怯えるしかないだろう。人によって受け止め方が180度異なるおもしろい回である。

なお、この死亡フラグは「直後の回」に限って言えばミスリードである。後の回においては……君の目で確かめろ!

 

■5話
お待ちかね! 2話ぶりの戦闘シーンだよ! でも大連続狩猟どころか7体同時だよ!
視聴者である我々にはこの状況の深刻さは理解できないだろうが、勇者部からすれば、次の敵は蟹座のデスマスクかと思ったら、デスマスク以降の黄金聖闘士が束になってかかってきたという状況なので、ぞの絶望感たるや筆舌に尽くしがたいだろう。

最初は楽勝、しかし敵が合体フォルムを見せたら一気にピンチ、そこから満開とかいう覚醒フルムに目覚めて逆転という、お前らプリキュアかよと思わされるド王道展開である。

しかしながら極めて重要なファクターが存在する。結城友奈がビビッドパンチを発動したことである。1話で「勇者パンチ」という名でぶっ放しておきながら、この回では満開とかいうメガシンカを使ってまで、オラオラ勇者パンチを繰り出しているのである。ビビッドパンチとは万物を解決する究極の方法であるが、それを5話という折り返し手前地点で使ったのである。これまで出し渋ったにも関わらず、である。

しかし、この満開勇者パンチは、決して万能の解決策になったわけではない。それはこの次の回で証明される。

 

■6話
つかの間の日常回かな、と油断した直後、ゆゆゆの本性が牙を剥いた。

片目の視力が落ちた部長を皮切りに、声の出なくなった妹、そして味覚を失った友奈と、続々と身体的障害があらわになる。この一連の流れが数分以内にラッシュしたことはとにかく衝撃だった。僕は腰が抜けてしまった。正直なオタクほどこたえる展開である。

この回が証明したのは、「ビビッドパンチには本来代償がともなう」ということである。ビビオペは完全なるお伽話だったのでビビッドパンチもノーリスクで使えた。しかし、ビビオペを冒頭の人形劇で劇中劇化するゆゆゆでは、ビビッドパンチをなんの代償もなしに使うことはできないのだ。とりあえずみんな生き残った。だけどその代わりに身体的なハンディキャップを残す。ビビオペがいかに空想の産物だったかを提示する、ゆゆゆが「ビビオペ2.0」といわれる由縁となる重要な回である。

さらに重要なことは、友奈が失ったのが味覚である点だろう。日常系作品には食べ物がつきものだし、それを食べて「おいしい!」と言うのが定例の流れである。そんなゆるふわ日常作品の主人公になれたかもしれない友奈から、日常の謳歌に必須とも言える味覚を奪うことは、本作がどのような立ち位置にいるかを証明するには十分すぎるだろう。

 

まとめ

以上までが、ゆゆゆ6話までのアウトラインである。王道展開によって圧縮をかけつつ、意表をつく展開で一気に別次元へ持っていく手法は、ともすれば「まどマギじゃねーか」と言われかねないものである。

しかし、ゆゆゆが継承しているのは決してまどマギではない。ビビオペなのである。「ビビオペのその先」を描くもの。それがゆゆゆなのである。

そして、ゆゆゆが描く「ビビオペの先」とは、我々に「戦闘美少女チーム系」と、「女の子たちがキャッキャする日常系」の本質を再考察させてくれる契機を与えてくれる。7話以降は、6話までの手法をさらに先鋭化させた方法、いや、正しく表現するなら4話からの手法で、みっちり描こうとしている。

まどマギは「魔法少女」を次の段階へ進めた。そして、ゆゆゆは「日常から戦いに出かける少女たちの物語」という定型を、今一度問い直すだろう。ビビオペの先であり、ビビオペが描いたかもしれない、見果てぬ夢。この後のゆゆゆの動向に注視したい。