読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

うらがみらいぶらり

チラシの裏のアーカイブ

「普通」を「高級ダイナミズム」で殴り倒す 〜『楽園追放』が最高だったという話〜

アニメ CLIP

はい、観てきました。『楽園追放 -Expelled from Paradise-』観てきました。

あまりにもTwitterの評判が良すぎてすごく気になってしまい、仕事もそっちのけで定時退勤即映画館へ駆け込みました。勢い余ってチュロスまで買っちゃいました。普段映画館ではチケット代以外は絶対に支払わないのですが、静かすぎる劇場でバリボリ音を立てながらチュロスを食べるのは、なかなか味わい深い体験でした。

 

チュロスはさておき映画本編ですが、はっきり言うと「最高」でした。

もう最高。マジ最高。超最高。パシリムや劇場版00を映画館で観れなかった過去の反動も手伝ってか、「映画ってすげー!」とひさびさに本気で実感しました。

そう、『楽園追放』を最高たらしめるのは、まさに「映画館で流す映像」そのものです。

巷には「映像体験」という言葉が流布していますが、『楽園追放』はザ・SF、ザ・サイバーパンクな視覚表現をこれでもかと詰め込んでます。サイバースペースしかり、ロボットしかり、宇宙空間戦闘しかり、各種コンソールしかり、SFなら絶対に出てくるガジェットたちがぬるぬる目まぐるしく動き回るため、めちゃめちゃ気持ちいいです。

斬新な表現で奇襲するのではなく、定番の表現を徹底的に高品質で描く。しかし細々とはせず、むしろ「グワンッ!グオンッ!」みたいな感じで(低次元表現)、ダイナミックに描かれていました。この「ダイナミズム性」こそが、僕に24時間「楽園追放最高」と脳内で復唱させ続けている最大の要因です。

 

シナリオについては、いろんな方向から「平凡」「新規性がない」「ありきたりだ」などの苦言が漂っていますが、僕は「普通にめちゃめちゃいい」と感じています。それはド王道というのもありますが、「まいた種をしっかり収穫する」という丁寧な姿勢にこそ惹かれているのだと思います。

「普通の話」とはいうけどね、今じゃ「普通の話」にすら達しないまま空中分解なんてザラっすよ。「ビビッドレッド・オペレーション」を見てみなさい。風呂敷を広げっぱなしにするより、一つ置いたら必ず拾う方が、あとに残るものもなく好印象です。

オタクはひねくれているから「新規性」と無限に唱え続けがちですが、そのせいでひび割れた石橋を作って崩すこともしばしばです。『楽園追放』は、石橋を叩いて渡ることの大切さをあらためて教えてくれました。

 

『楽園追放』を一言でまとめるならば「高級定食」といったところ。定番だけども、素材を極め、丁寧に調理をし、きれいに盛り付けることで、最高の出来栄えをもたらしているのです。一口食べれば「普通だけどすごくおいしい!」と感動できる品質が、この作品の肝なのです。

個人的には、各キャラの立ち位置に思うところがあるのですが、それはネタバレになっちゃうし、そんなことより観ましょう。悠長に構えないで、早く映画館へ行きましょう。そして楽園を追放されてきてください。「もう一回追放されてえ」と思えたらあなたの勝ちです。公開劇場が少ないのが難点ですが、だったら休日に這ってでも遠出しましょう。それも厳しいなら、iTunesから1,300円でレンタルして、サラウンドスピーカーかヘッドフォンで観ましょう。

 

あなたが純粋にSFが好きなら、『楽園追放』は必ずやあなたにとっての名作になるでしょう。観てない方はぜひ、観た人ももう一度、楽園を追放されに行きましょう。

 

 

▷ステマめいた公開劇場一覧


『楽園追放 -Expelled from Paradise-』

 

▷余談:アンジェラ捜査官について

80年台からよみがえったシコリティの権化ともいえる主人公、アンジェラ・バルザックですが、萌豚の存在しない80年台から来たため、主人公としても手堅く出来上がっています。そして一昔前なら田中敦子が担当しそうなところを、2014年では釘宮理恵が声を吹き込む。なんというか、時代の流れを感じるなぁと。

すごくいいキャラクターだと思うのでいろいろ言いたいのですが、別の機会であらためてまとめようと思います。