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うらがみらいぶらり

チラシの裏のアーカイブ

「小説家になろう」観察日記(4/17~4/23)

 先週から「小説家になろう」のランキング観察を始めた。

 きっかけはこちらでも取り上げた『WEB作家でプロになる!』なる書籍。この本の一節に、「なろうで覇権を握るならランキング作品をマネろ」という「書籍化への助言」が記されていたのである。

 模造品の大量生産、おぉ、なんたる地獄か! というのは冗談として、つまるところランキングはその時節の流行を如実に映し、そして流行に沿った「フォロワー作品」を作れば、流行に乗せたヒットが期待できるということである。まさに市場調査だ。なろうはそのくらいビジネスライクな戦場である、というのが上掲の本の主題でもある。

 とはいえ、本を流し見た程度では「という与太話がありました」で終わってしまう。真実はアマゾンの奥地に眠っている。真実を知りたくば、藤岡弘、になるしかないのだ。

 というわけで、遠くから眺めてそろそろ2年ほど経つ「小説家になろう」を、新年度より真面目に観察してみよう、という試みである。

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チノです。

 こんばんわ。チノです。

 実は嘘です。わさすらです。でも今日は、わたしの中で1年弱練り上げた「内面的チノ性」を確認するため、実質チノとして書いていきます。

 なんだかなりきりアカウントみたいですね。ちなみに、わたしの卒論のテーマでした。なりきりアカウント。いま思えば「死ね」って感じですね。みなさんは卒論くらいまともにやらないとダメですよ。

 

 さて、ここ最近はわたしもコーヒー党として成長しつつあります。

 元々は母遺伝の紅茶党なのですが、社会に放り出されてから、オフィスでタダで飲めるコーヒーばかり飲んでいたせいでしょう。環境適応ですね。生きものはたくましいです。シャロさんもこんな感じで、セレブ学園に適応していったのでしょうか。

 ところで、コーヒーばかり飲んでいると、どうなるか知っていますか。はいココアさんが早かった。「体からチノちゃんのにおいがするようになる」……惜しいです。不正解なのであとで尿道バイブ責めです。

 そう、おしっこです。おしっこからコーヒーの香りがするようになるんですよ。なのでわたしやココアさん、リゼさんのおしっこも……えっちな同人誌を作る時の参考にしてくださいね。

 

 あっ、コーヒー党、とはいっても、豆のちがいとかはまだわかっていません。あっ、内面的チノ性が下がる。いけませんね。実質チノなのに、バリスタレベルは実質ココアさん……それも需要アリ、かもしれませんけど。

 いまはお店で飲むことがほとんどです。最近ひんぱんに通っているのが、ブルーボトルコーヒーです。品川Atreにできたお店です。ドリップするところをコーナーがあって、それを眺められるのが好きです。そして飲みやすくて、香りもいいんですよね。お値段は500円程度で、昼時に週2回飲むのがちょっとした贅沢です。

 で、ブルーボトルでドリップ待ちをしていると、家でもドリップしたいと思ってきます。なので、勢いで手挽きミルまで買って、家に死蔵されていた豆を挽いてはみましたが、コーヒーフレーバーのお湯ができあがって、がっかり。

 豆は全てコーヒー焼酎へと転用されました。いずれ新鮮な豆で再チャレンジしたいですね。

 

 コーヒーと言えば、えっちな本ではシャロさんがセックスする口実として定番のツールです。援交前に緊張してしまい、でもやらなきゃ! じゃあカフェインね! というのがお決まりの流れですよね。

 描きやすいのか、最初のころはシャロさんのえっちな本はとても多いものでした。研究が進み、バランスが取れてきているのはよろこばしいことです。もちろん、シェア1位はわたしなのですが。日本にはロリコンが多いから仕方ありませんね。

 

 とりあえず初回なので、実質チノごっこは今日はここまでにします。

 やはりむずかしいですね。なりきりアカウントさんも大変なのだと、深く実感しています。ではココアさんのお部屋に行ってきますね。今日も朝までいい声で鳴いてもらおうと思います。

「思考盗聴」という物語

 「思考盗聴」という言葉を聞いて、なにを連想するだろうか。僕の場合はSFである。

時は2030年。特殊なマイクロ波による思念通信技術が発達し、人々はより円滑なコミュニケーションを享受していた。一方で、思考を他人に傍受される「思考盗聴」が社会問題となりつつあった。思考盗聴によって生計を立てている思考ハッカーの少年・トウゴーは、ある日、ビルの屋上から落下してきた少女を救う。イルミナティと名乗る少女は、宗教団体Xから思考盗聴の被害を受け、苦しさのあまり自殺しようとしていたという。「私のココロ、守ってください…!」トウゴーはイルミナティを守ることができるのか。そして「思考盗聴」の真実とは――電磁波パンクアクション、開幕!

 こんな感じのラノベっぽいあらすじが思い浮かぶ。だが、どうも一部の人達曰く「思考盗聴」は実在するとのことである。

 

mkawa.jp

 

 曰く、それは「テクノロジー犯罪」とカテゴリされ、改造トランシーバーなどが放つ特殊なマイクロ波によって、人々の思考が読み取られたり、音声などを脳内に流されたりするらしい。コワイ!

 しかも「根本的な防御策はない」らしいが、コンクリートやミストサウナで遮断できるらしい。スゴイ! ちなみに集団ストーカーなる犯罪も関わっており、元凶は秘密結社イルミナティらしい。やっぱコワイ!

 他にも情報はないかと調べてみると、Googleではおよそ5〜6ページに渡り「思考盗聴被害を受けている!」「思考盗聴はSGIのしわざ!」「東芝が思考盗聴機を作っている!」「思考盗聴被害はこちらにご相談を!」などのサジェストが連続する。

 こんなにも被害報告がある。思考盗聴はあったんだ! この真実を人々に伝えなきゃ!!

 

 とまぁ、健常な人はさすがに気づくと思うが、これはモロに統合失調症の症状である。「思考伝播(考えが人に漏れてるという思い込み)」や「自生思考(勝手に考えが浮かんでくる)」といった症状が、この「思考盗聴」に該当するだろう。

 実際「思考盗聴」でググると、「思考盗聴 統合失調症」というサジェストされるので、世間的にはよくあることなのだろう……と見せかけて、「思考盗聴と統合失調症の見分け方」「警察や医者は統合失調症と決めつけます!だまされないで!」などと訴えるページが多い。地獄である。

 もしかすると本当にそんな技術がどこかで確立している可能性もあるかもしれないが、そんなハイテク技術を、ただの一般人に向けて何度も使うようなヒマな組織はそうないだろう。信者をタダ使いしても、そんなことに手間をかけたら献金も吹き飛ぶ。そもそも時の偉い人が今ごろ大変なことになっているだろう。

 

 正直、「電磁波攻撃」並にナンセンスな概念だし、かといって新規性にも乏しい。ラノベの企画書にもなるまい。今さら槍玉にあげて論じるほどのものでもない。

 今日、この話題になって驚いたのは、Googleですら「思考盗聴を肯定するページ」が上位に連続する状況だ。これはつまり、「私は思考盗聴の被害を受けている」と感じてインターネッツに救いを求めても、精神科への道が開かれないことを意味する。治療の可能性が大幅に低まる。それどころか、「相談」を謳うコールセンターや興信所にむしりとられる末路に行き着くかもしれない。

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

 この興信所は50万円の報酬ゲッツに成功しているようだ。正直、思考盗聴専門興信所とか立ち上げてみたら儲かりそうだし、将来のキャリアプランに加えときたい。

 とはいえ、この検索状況は素直に胸糞が悪いのも正気な感想だ。

 

 精神疾患はしばしば自覚がないことが多いと聞く。「思考盗聴」が、自分の中で高度に醸成された物語であると気づかぬまま、非実在の陰謀を信じ込むケースは多いのかもしれない。

 これが現在だと、フィクションだと自覚できないうちにネットに書き込み、形になって残ってしまう。それをまた誰か「思考盗聴」を疑う精神を病んだ人が見て……という流れで、「思考盗聴」という物語はノンフィクションとして、一定の範囲に共有されてしまっているのだろう。

 いかな聡明な人でも、統合失調症を患えばトンチキなことを容易に信じる。実際、上掲のサイトの運営者は京大卒なのだとか。なので、最も大事なのは「そうしたことに惑わされない教養を得る」こと以上に、「思考盗聴されてる!」と訴えた時に「わかった!医者に診てもらおう!」と笑いながら連行してくれる、優しい友人の存在だろう。

 そして、うっかりこのブログに出会った「思考盗聴」を信じる人にも、同様に告げておこう。「とりあえず明日お医者さんとこに行きましょう」

 

 にしても5ページ以上にわたって肯定派がサジェストを占める状態は普通にヤバいと思うし、このクソブログでサジェスト上位に殴り込みたいものである。

「ジャパリパークに男根は……いらないッ!!!!!」

 Mステ上陸を果たして勢い冷めやらぬ『けものフレンズ』。しかし勢いはいつだって山火事の原因となる。今日話題になってたのは「けものフレンズから成人向け二次創作を追い出せ」運動である。

www.change.org

 よもや2017年にもなってこの手のシュプレヒコールが上がり、しかも署名活動まで企てる逸材がいることに、ただただ感嘆の念を禁じ得ない。これ自体が一種のレッドリスト入りともいってよいだろう。

 しかしまぁ、なぜこの人はそこまでお怒りなのだろうか。ふと目にとまる一節があった。

私はTwitterで性的二次創作に断固反対という活動をしています。私は性的表現全てを規制しようとしていわけではありません、ですがキャラクターの品格や設定を無理やり捻じ曲げて描く成人向け二次創作には断固反対いたします。

(上記署名ページより抜粋)

 特に光るのが、「キャラクターの品格」ということば。実にみずみずしい叫びだ。なにせ、「品格」である。その言葉運びにはある種のセンス、そして妄執が感じられる。

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Pawoo.net観察日記

 Mastodon(マストドン)とかいうTwitter亜種がにわかに日本で広まり、分散型SNSの物珍しさと、ちょっとガバガバ気味なセキュリティにいろいろと話題が沸騰していた。

 自前で持てるSNSと聞いて、「そんなの法人が独自ドメインで持つのが一番うまみデカいじゃん」とは思っていて、そのうちこのブログでなにか言おうかなーと考えていたら、Pixivが自前インスタンス(サーバ)を立ち上げてしまった。さすがはWebな企業大手、機動力がすごい。そして本家インスタンスから連合をブロックされるなんてオチまでついた。

 そんなわけでPawoo.netにアカウントを作って小一時間観察してみた。ざっくり思ったことを書き残す。

 

①イラスト投函状況

 さすがに母体がPixivである以上、そこにアカウントを置く絵師たちが早速イラスト投函に明け暮れている。本家ブロック原因も、エロ絵師たちがスケベイラストを連打しまくった結果とのことである。

 で、スケベを抜きにしてイラストがどの程度ぶん投げられているかだが、少なくとも4/15の時点では「過去投稿イラストのぶん投げ」がよく見られた。まぁ自己紹介がわりの名刺だろう。

 この比率が比較的多めで、ローカルタイムラインでも体感5割程度の確率で出現している。Pixivをクロールしたり、Twitterをぼんやり眺めたりするよりかは、好みの絵師をランダムに見つけやすい環境かもしれない、とは思った。

 でも23時を過ぎたあたりから、ただの「トゥート」の比率が増えて、結局Twitterと大差ない状況にはなっている。「絵師たちの楽園たるPixiv自治領」というにはちょっと……という感じ。

 

②「ローカル/連合タイムライン」にはしゃぐ人々

 「自動イラスト収集装置」ないし「リアルタイムイラストぶつけ合い宇宙」としては微妙なこのサービスに、じゃあユーザはなにをはしゃいでいるのかといえば、おそらく「流速」だと考えている。

 Mastodonは、自インスタンスの全ユーザの発言が見える「ローカルタイムライン」と、連合*1の発言まで見える「連合タイムライン」の2種類を、デフォルトで、しかもリアルタイムなストリーミングで見ることができる。

 このリアルタイムストリーミングがキモ。無数のユーザの発言が日本三大急流のように流れていく「体験」そのものに価値がある、ということである。

 実際、Pawoo上でよく見かける(4/15時点)発言は「流れ早すぎw」「視力検査かな?」みたいなものだ。内容がどうのこうのよりも、大量の情報がものすごい速度で過ぎ去っていくこと自体が、一種のアトラクションとして楽しまれている、と見ていいと思う。

 Pawoo.netの総ユーザ数はおよそ2万(4/15時点)。それだけのアクティブユーザを、自分でフォローすることなく観覧できるのだから、土日の物見遊山にはうってつけだろう。

 この楽しみ方、なにもMastodon特有ではなく、かつてTwitterも同じ轍を踏んでいる。「Twitter廃人」という、多フォローや、クソみたいな短文ツイートと非公式RTの連打で「タイムラインを加速させる」ことに楽しみを見出す文化があったことは、一部の方はご存知のはずだ。その文化にも多少の手間があったことを思えば、ほぼノーリスクで「加速するタイムライン」を眺められる現状のPawooはとても良質なサービスだ。

 いずれにせよ、膨大な情報量、そしてそれが目の前で流れてくるライブ感は、まぁ見ていても楽しい。長くなったが、要はこれも「祭り」である。

 

③文字数について

 個人的に一番デカいMastodonの特徴は「500文字まで入力できる」ことだと思っている。

 「ブログには短くツイートには長い」とおっしゃる方もいるでしょう。でもツイートを何度も連投するくらいなら、500文字でまとめられる方がスマートじゃないですか。ブログの内容だって要約すれば500文字くらいになるだろうし、「ミニブログサービス」というカテゴリが一番似合うと思いますよ、Mastodon。

 なによりこういう遊びができるんですよ。

pawoo.net

 これを公共のタイムラインにぶん投げる。最高の交通事故でしょ。

 だけど、パッと見では500文字をフル活用しているアカウントは少ない。それどころかだいたい140文字にも満たないものが多い。Twitterの延長線どころか、そのまんまTwitter感覚で使っている人が多そうではある。

 まぁ、372文字入力できる「Croudia」ってサービスがあって(※いまも存在する)、一時期話題にはなったけどそこまで流行らなかったし、そんな多量に文章を入力する人はいないのでしょう。多分。

 

④「誰がこのサーバの面倒を見るんだい?」

 ハチャメチャな勢いで増えるトラフィックに当然ながらサービスは悲鳴を上げる。Pawooも何度か遅延発生したり、そもそも接続ができなかったり、みたいな状況が発生している。

 どんなことが起きたか、それにどう対処したかは、Pawooに設けられた管理用Pixivアカウントがリアルタイムで垂れ流しているので眺めてみるとよい。

pawoo.net

 さらっと「サーバ増やしました!」とか怖いことを言うんじゃあないッ!

 まぁ、下手するとそれだけの金銭的リスクが起きるよー、ということではある。日本鯖最大手の「mstdn.jp」も、管理者が100万円寄付されちゃって「扶養外れちゃった」とおののく場面もあったりしたけど、それだけ金は要りそうではある。あとはまだ海外メインだし、向こうの人とEnglishでCommunicateするスキルも必要そうだ。

 もっともそれ以上に、今日(書いてる時点では土曜日)Pawooの面倒を見ている人々を思うと……うかつに「企業はMastodon導入しましょう!」とか迂闊に言えない。まぁPawooの場合は好きな人がやってる可能性もまだありそうだが……

 

 

 とりあえず書き残しておきたいのはこんな感じ。

 今は物珍しさ半分で使ってる人が多そうだし、月曜の通勤通学のタイミングで熱が冷めた人が出てきてから、どうなるかがある意味では見ものだとは思う。

 インターネッツにおいて、新しいサービスは、最初はおもちゃとして扱われる。それがおもちゃのまま遊び捨てられるか、道具として普及するかどうかは、誰にもわからないわけであって。まぁヘタに「MastodonはSNSに新しい風を起こす!」とかチャントすると火傷しちゃうよね、っていう感想です。

 

■余談1:ぼくのPawooアカウント

pawoo.net

 前述の通り作ってある。基本的に「500文字打てること」をフル活用したいので、そんな感じのトゥートしかしないかも。無限にココアとのヰタ・セクスアリスを綴るぜ。

 

■余談2:自前のMastodonは作っておきたいね的な

jtwp470.hatenablog.jp

 早速立ち上げハウツーが上がってきた。ぎっはぶ読めって話だけど。

 Dockerなんてハイカラなものさわったことないよぉ……その練習のためにもさわってみようかなぁ、とは思ったり。やっぱ自前ドメインで持てるって魅力的だよね。

*1:インスタンス同士のフォロー関係みたいなもん

「小説家になろう」もまた、インターネッツなのだろう

 インターネットで不意に現れる話題といえば「ラノベ/なろう小説ってなんなのさ」という話題。今朝もうっかり新木伸が「ラノベはおっさんの読み物なので…」と発言(4/7の発言だけども)が流れてきて、ちょっとばかしラノベの話題になっていた。

 

togetter.com

 

 若者は金がないから「人気の保証されたもの」しか買えず、その「人気の保証」はおっさんたちが先陣を切って買い支えることで作られる。なるほど納得ではあるが、身も蓋もない言い方をすれば「若者がおっさんのお下がりを食ってる」という感じではある。まぁ割とそういう文化は多そうなんだけども。

 と、上掲のTogetterを見てたら、こんなものが貼られていることに気付いた。おのれ天狗め!お買上げしたぞ!

 

WEB作家でプロになる!: ?書籍化の方程式 (トークメーカー新書)

WEB作家でプロになる!: ?書籍化の方程式 (トークメーカー新書)

 

 

 「WEB小説は、精神的ポルノだ!」って帯で堂々と宣言しちゃうこの感じ、嫌いじゃない。まさに「なろう文化」って感じで、最高。ロックだよね。

 そんな香り高いスメルが気になるし、なによりこの文化界隈をまだ理解しきれていないこともあって、手にとってみた。内容としては、実際にWeb小説サイトで作品展開をしているプロの作家が現場から送るいわば「戦地ルポ」とてもいうべきもので、しかも戦地を駆け抜けるためのハウツーをバンバン挙げていく対談形式のテキストだった。

 

 そのハウツーが有効かどうかは門外漢なのでさておき、目を通してみて、なろう界隈に今まで抱いていた違和感の正体がハッキリと認識できた。

 あの小説投稿サイトもまた、インターネッツなのだ。取扱が小説というだけで、その本質はニコニコ動画やTwitterに似ているのだ、と。

 「なろう=異世界転生」という認識は比較的広く知られている。ではなぜそんな等式になるか考えた時、「ハーレムヨイショな小説書いて承認欲求を満たす気持ち悪い人が集まってる」と思い込んでいたわけである。

 しかし実のところ、テンプレ多産の原因はもっと単純――「それがアクセスを見込めるフォーマットだから」でしかない、というのが上掲のテキストを見ていて抱いた印象だ。

 ヒットした物語定型にはフォロワーが生まれる。フォロワーが増えればそれは「流行」になる。そこまで達してしまえば「流行に乗れば人の目は集めやすい」状態になる。これはなにも小説サイトに限った話ではない。

 ニコニコ動画では一時期ランキングをガチムチパンツレスリングが席巻したし、Twitterでは現在進行形で「フェネックやめるのだ!」テンプレートが横行し、Favが荒稼ぎされる状況にある。「流行のテンプレート」はリーチの強さゆえに、すさまじい勢いで増殖する。

 そういう見立てをもって小説家になろうという文化圏を眺めると、恐ろしいほど合点がいくのだ。みんなPVがほしいのである。どんなものだろうと、自分が産み落としたものに視線が集まることは心地よい。そしてなろうの場合、数多くのPVとポイントを稼いだ作品には「書籍化」という栄誉が与えられる。

 それは承認欲求の蠱毒というより、純然たる生存競争の場だ。みんな、生きるためにテンプレートを切り出す。サバンナで生き残るために、手段は選んでいられないのだ。

 

 まぁ、全員が全員書籍化を夢見てるわけではないだろうし、中には完全なる自慰として投稿している者もいるとは思う。だけども、ランキングというわかりやすい競争指標が存在する世界だ。その行動原理が「PVと評価の多寡」で規定されるのは当然の帰結だろう。

 また、実のところなろうはかなりムーブメントの移行が早いようで、今現在のトレンドは「異世界転生」から「異世界現地人活躍」になりつつあるのだとか(実際、最近見たランキングはそんな感じだった)。生存のためにはアンテナ感度も要求されるあたりもインターネッツという趣きだ。「場合によってはカクヨムに拠点を置くべき」といった、戦場の選択にも気を配るべきという点も。

 いずれにせよ、PVと評価を求めるために力を注ぐ感覚は、大昔にネタクラスタもどきをしていた身としてはものすごく理解できる。上掲のテキストでは「とにかく数をこなして当たりを探るべき。伸びなければ早めに切り捨てろ」という、一見非情なアドバイスも飛び出してくるが、しかし事実として数字は正義なのだ。Favを稼げなかったネタツイに価値はない。次のネタを切り出す準備をするのみだ。それが140文字か、数千字の連続か、の違いしかないのだろう。

 多産多死が人を成長させる。それがインターネッツの基本法則である。

 

 という感じで、長年の違和感を解消できたおかげで、なろうへの関心は妙に高まってきた。「限られた(流行)定型でランカーを目指す」って、それこそネタツイ転がしてきた時を彷彿とさせて、あっなんか楽しそう……って。

 とはいえ、「読者に徹底的にサービスする」というフィクションの書き方は未経験だし、そもそも僕は文章が冗長かつ過多になりがちなので、そのへんを矯正しないと戦地に踏み込むことすら難しそうだ。 

wasasula.hatenablog.com

 最近流産したこいつは「(自分の中では)かなりシンプルな文章」という意識なのだが、これでもまだ過多な気もする。練習するなら「余計は描写は削り落としてシンプルに」というところからか。

 そもそも、この文章も冗長はなはだしいところである。

2017年春アニメ 雑感①

 春が来た。新年度の春、社畜一年生葬送の春、そして新たなアニメ開始の春が。

 しかし自宅にはSwitchがうっかり届いてしまい、100年ぶりに目覚めたハイラルの勇者になって「ヒャア!ゴブリン死ねェ!」と叫びながら馬を走らすのが楽しすぎて、一瞬アニメどころではない事態になってた。BREATH OF THE WILD、めっっっっっっっっちゃおもしろいです。

 とはいえ見るものがあるだろうと思い、おもむろに今期のアニメの視聴を開始してみたところ、いくつか好みぶっ刺さり案件が出てきて大変なことになっている。まぁまだ1話なので、肩の力を抜いて今期についてのメモを記す。

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